みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)は2026年10月14日、公式キャラクター「あおまる」を対話型AIアシスタントにした「あおまるバンク」の第一弾として、銀行サービスや手続きに関する「お問い合わせへの回答機能」の提供を開始しました。
本記事はアプリの実機操作は行わず、公式発表・公式FAQ・開発担当者のインタビュー記事に基づいて整理しています。画面の位置や手順は、すべて公式FAQの記載どおりです。
結論:あおまるバンクで何が変わったか
一言でいうと、「FAQを自分で探す代わりに、対話で案内してもらえる窓口」が、みずほ銀行アプリの中にできました。 ただし、案内するだけです。振込や住所変更の実行はできません。

| 知りたいこと | 答え(公式の記載) |
|---|---|
| 何ができる? | 銀行サービスや手続きについての質問に、対話で答える。回答には根拠となる情報源が併記され、必要に応じて電話窓口なども案内される |
| 何ができない? | 振込・住所変更などの手続きの実行。口座残高や取引履歴の参照と、それに基づく回答 |
| 誰が使える? | みずほ銀行アプリの利用者。スマートフォンのみ(タブレット・パソコンは非対応)。ログインが必要 |
| どう入力する? | テキストまたは音声 |
| 料金は? | 公式の発表文・FAQに料金の記載はありません(10月14日時点) |
こんな人は、まずアプリ内のチャットを開いてみてください。 みずほ銀行アプリをすでに使っていて、「ログインパスワードを忘れた」「機種変更したときはどうすればいい?」のように、手続きの進め方で迷ったときです。FAQの一覧を探す代わりに、聞く形で案内を受けられます。
向かない人もいます。 残高の確認や振込をAIに頼みたい人です。公式FAQはこれらを「できないこと」と明記しています。その場合は、従来どおりアプリの各メニューを使うことになります。
今日の最初の一歩は、アプリを開いて右上のヘッドフォンマークを押すことです。手順は次のとおりです。
できること・できないこと
誤解されやすいので、先に線を引いておきます。

できること
- 銀行サービスや手続きに関する質問への回答。検索のもとになるのは、1,700項目を超えるFAQ、公式ウェブサイト、各種マニュアルなどの公式情報です
- 対話の中で状況や要望を確認し、案内を組み立てること
- 回答に根拠となる情報源を併記し、必要に応じて電話窓口などの有人の窓口を案内すること
- テキストに加えて、リアルタイムの音声対話。やり取りは画面上にテキストでも表示されます
できないこと
- 振込や住所変更などの手続きの実行
- 口座残高や取引履歴などの個人情報の参照と、それに基づく回答の生成。公式発表でも、提供開始時点では口座情報や取引履歴などを参照しない設計とされています
つまり「あなたの口座の状況を見たうえで、あなた専用の答えを返す」サービスではありません。公式情報にもとづく案内を返す窓口、という位置づけです。
回答の位置づけ
公式FAQは、生成される情報の正確性・完全性・最新性・適切性・有用性などは保証されないと案内しています。大事な手続きは、案内された内容を公式の画面や窓口で確かめてから進めるのが安全です。
使い方:アプリ内の4手順
公式FAQが示す手順は次の4つです。

- みずほ銀行アプリを起動し、右上の「ヘッドフォンマーク」を押す
- 「お困りですか?」の画面で「チャット」ボタンを押す
- 「ご注意事項」を確認し、「同意して利用を開始する」を押す
- 用件をテキストまたは音声で入力する
利用の条件は次のとおりです。
- 対象はみずほ銀行アプリ(旧称:みずほダイレクトアプリ)を使っている顧客です
- スマートフォンのみで、タブレットとパソコンでは使えません
- アプリへのログインと、利用規定などへの同意が必要です
- メンテナンスや通信環境によっては使えない場合があります
提供開始時点で、アプリの全利用者がすぐ使えるのか、順次広がるのかは、公式FAQに記載がありません。
上手に聞くコツと質問例
公式FAQが挙げているポイントは3つです。

- 商品名やサービス名を入れる。 詳しく案内してもらえます
- 回答方法を指定する。 「箇条書きで教えて」のように頼めます
- 続けて質問する。 「○○の場合はどうすればいい?」と深掘りできます
質問例として、公式FAQは次の2つを挙げています。
- 「みずほ銀行アプリで機種変更した場合の対応を教えてください。」
- 「みずほダイレクトのログインパスワードを忘れました。」
文字が小さいときは、2本指で広げて調整できます。
入力を控える情報にも注意してください。 電話番号、口座番号、暗証番号、パスワードなどの個人情報は、入力しないよう案内されています。
従来のFAQや窓口と何が違うのか
公式発表の副題は「銀行サービスのお問い合わせ体験を、『検索』から『対話』へ」です。違いは「案内の仕方」にあります。

| これまで | あおまるバンク | |
|---|---|---|
| 探し方 | FAQやウェブサイトで、自分で該当ページを探す | 知りたいことや困りごとを伝えると、整理して案内される |
| 条件の絞り込み | 一覧から自分に当てはまるパターンを選ぶ | 対話の中で必要な確認をされ、答えるだけで絞り込まれる |
| 困ったとき | 電話窓口や店舗に連絡する | 必要に応じて電話窓口などの有人チャネルも案内される |
具体例として、開発担当者は住所変更を挙げています。住宅ローンや投資信託、債券口座の有無などで必要な手続きが分かれます。従来のFAQでは、自分に合うパターンを一覧から探す必要がありました。あおまるバンクは「投資信託の口座をお持ちですか」と問いかけ、答えるだけで手続きを案内する、という説明です。
このように問い合わせ対応を AI に担わせる取り組みは、他の業界でも進んでいます。詳しくは Zendesk業界特化型AIエージェント|汎用型との違い を参照。
ここで書いていないこと。 問い合わせ時間が短くなった、件数が減ったといった効果の数値は、公式には見当たりません。違いとして言えるのは、案内の仕方までです。
今後の予定と、いまの機能の線引き
公式発表は、法令・各種規制への適合や関係当局との協議を踏まえ、対応領域と提供チャネルを段階的に広げていく方針を示しています。拡大先として挙がっているのは次のとおりです。

- 各種お手続き(対話の中で完結する形)
- 資産形成・運用のご相談
- みずほ銀行のウェブサイトなど、アプリ以外のチャネル
- 顧客の認証情報にもとづくパーソナライズ
これらはすべて構想で、現時点の機能ではありません。 「手続きまでできる」「運用の相談ができる」と受け取らないよう注意してください。
提供時期の経緯
- 2026年5月18日のみずほ銀行の発表では、「みずほダイレクトアプリ」での提供を「2026年9月(予定)」としていました
- 8月21日付の開発記事も「2026年9月(予定)」でした
- 10月14日のみずほFGの発表で、提供を開始したと案内されました
9月予定から10月14日になった理由は、公式の発表文・開発記事に記載がありません。
業務自動化として見ると
ここからは、窓口や問い合わせ対応の担当者向けの整理です。事実と意見を分けて書きます。

公式が語っている事実
- 最初の範囲をFAQに決めた理由について、開発側は、振込などの手続きは勘定系システムとの連携に時間がかかるためと説明しています
- OpenAIのAPIの採用は、品質を比較した結果です。音声は、音声で入力して音声で返す方式のほうが自然な対話に近いと判断したとのことです
- 入力・出力の双方に検知・制御の仕組みを多層的に設けています。OpenAI社のエンジニアチームによる技術支援・アドバイザリーも受けています
- 会話内容の記録・分析はサービスの品質改善に限定し、入力・出力データはOpenAIのモデルの学習・改善には使われません
- 開発側は「対面の丁寧な対応は強みとして大切にする。サービスの入り口をAIが担い、必要に応じて店舗や専門人材へつなぐ形をつくりたい」と述べています(これは意図であり、効果の実績ではありません)
ここからは意見(weevee)
公式の説明から読み取れるのは、「いきなり手続きまで任せず、まず案内から始める」という順番です。自社の問い合わせ対応にAIを入れるときも、次の3点は参考になると考えます。
- 最初の範囲を、答えが公式情報で裏づけられる領域に絞る。 根拠の併記は、利用者が確かめる手間を減らします
- 「できないこと」を利用前に見える場所へ書く。 公式FAQが手続きの実行や残高参照を明記しているのは、誤った期待を避ける工夫です
- 人へつなぐ出口を残す。 有人チャネルへの案内が最初から設計に入っています
なお、他の金融機関や企業の公式発表との比較は、この記事では扱いません。業務へのAI導入という近い流れで、すでに公開している記事は次のとおりです。
安全に使うための確認点
公式FAQと公式発表に書かれている内容だけをまとめます。

| 確認点 | 公式の記載 |
|---|---|
| 入力してはいけない情報 | 電話番号、口座番号、暗証番号、パスワードなど |
| 参照されない情報 | 口座残高、取引履歴などの個人情報(提供開始時点) |
| 回答の位置づけ | 正確性・完全性・最新性などは保証されない |
| 会話データの扱い | 品質改善の目的に限定。OpenAIのモデルの学習・改善には使われない |
| 迷ったとき | 電話窓口などの有人チャネルも案内される |
| 利用前の同意 | 「ご注意事項」と利用規定への同意が必要 |
「ご注意事項」の全文は、アプリ内でログインして確認する画面にあります。利用前に目を通してください。
次の一歩
今日やることは1つです。みずほ銀行アプリを開いて、右上のヘッドフォンマークから「チャット」に入り、公式FAQの質問例を1つ聞いてみること。 たとえば「機種変更した場合の対応」なら、残高や取引の情報を使わない一般的な手続きの案内なので、入力に迷いません。

アプリを使っていない人や、会社の問い合わせ対応を考えている人は、まず公式FAQ「あおまるバンク(AIチャット)とはどのようなサービスですか?」と公式発表を読むと、できる範囲が正確につかめます。
もっと詳しく
名称の整理
- 「あおまるバンク」は、みずほFGが順次提供するAIエージェントの名前です。第一弾が「お問い合わせへの回答機能」です
- 入口は「みずほ銀行アプリ(旧称:みずほダイレクトアプリ)」です
- 「あおまる」はみずほの公式キャラクターです。この記事は公式・公認のものではなく、公開されている情報の整理です
5月の発表で示された考え方
2026年5月の発表では、サービスを「お客さまの状況やニーズを対話の中で自ら把握・判断し、最適な対応を行うAIエージェント」と説明しています。従来のチャットボットは、条件分岐の多い手続きで迷いが生じやすいという課題認識も書かれています。これは同社の説明であり、比較検証の結果ではありません。
公式情報の出典
- 公式発表「対話型AIアシスタント『あおまるバンク』の提供開始について」(みずほFG・PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000177612.html
- 公式FAQ「あおまるバンク(AIチャット)とはどのようなサービスですか?」:https://www.faq.mizuhobank.co.jp/faq/show/13371?site_domain=default
- MIZUHO DX「開発の裏側」(2026年8月21日付):https://www.mizuho-fg.co.jp/dx/articles/aomaru-bank-2608/index.html
- 2026年5月18日のみずほ銀行の発表(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000177612.html
情報は2026年10月14日時点のものです。利用条件や対応範囲は変わる可能性があるため、利用前に公式の案内で最新の内容を確認してください。

