RPA(パソコンの定型作業を自動で繰り返すソフト)の「nalgo-bot」が、2026年9月24日から提供開始の v1.40 で、AIエージェントとの連携に対応しました。シナリオとは、自動化したい作業の手順書のことです。

つまり、これまで自分で記録したり組んだりしていた手順書を、「Excelの一覧を業務システムに登録して」と日本語で頼むだけで、登録できる状態のシナリオまで進めてもらえます。止まったときの原因調査と修正も任せられます。

本記事は日本アルゴリズム株式会社の公式発表と製品ページ(2026年10月8日確認)に基づく整理です。実際にソフトを動かして測った結果ではないので、数値や挙動はすべて公式の記載として書いています。

結論:v1.40で何が変わったか

迷ったらこれ:Windows のパソコンで事務作業を自動化したい人で、Claude Code か Codex をすでに使っている(または使う予定がある)なら、まず30日間の無料体験版を申し込む。 理由は3つです。

v1.40の結論と提供開始日・価格・対応AI・動作環境
体験版・価格・対応環境の4点を押さえれば、申し込むかどうかを判断できる。
  1. 自動化の手順書づくりという一番の壁を、日本語の依頼で任せられる(公式の発表)
  2. 体験版は30日間無料で、申込フォームの入力項目はメールアドレス(必須)・お名前・会社名・部署名・電話番号と個人情報保護方針への同意。支払い情報の欄は見当たらない
  3. 一度できあがったシナリオは、実行時にAIを呼ばなければAIの利用費がかからない(公式の記載)

合わない人もいます。Mac を使っている人(対応OSは Windows のみ)と、AIエージェントの利用費を別に払いたくない人です。

最初の5分でやることは、公式の体験版フォームでメールアドレスなどを入力して申し込むところまでです。インストール後の導入は、同梱の「AIエージェントの環境構築」シナリオを再生するだけと公式は案内しています。

項目内容(公式の記載)
提供開始2026年9月24日(v1.40)
新機能の柱シナリオの全自動生成、失敗時の自動調査・修正、記録済みシナリオの書き換えなど
対応するAIエージェントClaude Code(Anthropic)、Codex(OpenAI)
価格1ライセンス(PC1台)年額 100,000円(税抜)/110,000円(税込)
別途かかる費用AIエージェントの利用費(利用者が自分で用意)
無料で試せる範囲30日間の体験版
動作環境Windows 11(64ビット)、Windows 10(32ビット/64ビット)

nalgo-botとは

nalgo-bot(ナルゴボット)は、2019年にサービスが始まったRPAツールです。公式は「通常行う作業を記録して、再生するだけ」の操作で、パソコン初心者も使えると説明しています。製品ページでは「いつものPC操作を記録して再生できるデスクトップ型RPA」という位置づけです。

RPA・シナリオ・スクリプト・AIエージェントの用語整理
4つの用語と、AIと nalgo-bot の役割分担が分かれば、以降の説明が読みやすくなる。

用語を先に整理します。

  • RPA:パソコンでの定型作業(転記、入力、ファイルを開く、など)を、ソフトが代わりに繰り返す仕組み
  • シナリオ:RPAに覚えさせる作業の手順書。nalgo-bot では記録した操作が「タイムライン形式」で並び、一手ずつ確認・編集できます
  • スクリプト:簡易的なプログラム。分岐(条件で動きを変える)や繰り返しを含む複雑な作業に使います
  • AIエージェント:頼まれた作業を自分で段取りして進めるAI。nalgo-bot が連携するのは Claude Code と Codex です

公式の整理では、AIエージェントはシナリオの用意と修正の場面で使い、実行は nalgo-bot が担当します。

詳しい使い方は、Claude Code mods入門|作り方と最初の一歩で確認できます。

v1.40の中心機能:日本語の依頼でシナリオを全自動生成

v1.40 の中心は「シナリオ全自動作成」です。公式の例は「Excelの一覧を業務システムに登録したい」。この依頼から、次の順に進みます。

シナリオ全自動作成の4段階
依頼から登録までの4段階を追えば、最初に何を答えればよいかが分かる。
  1. 足りない情報をまとめて質問される:入力ファイル、操作する画面、失敗したときの扱いなど
  2. 対象の画面を実際に調べる:操作するボタンや入力欄を特定する
  3. シナリオが組み上がり、小さく区切って試し実行しながら動作を確認する
  4. 完成したシナリオが nalgo-bot に登録される:一覧からすぐ再生できる状態になる

データを書き換える操作を試す前には、何をどこに何件変えるのかを示して、確認を取るとされています。自動化が初めての人にとって、「勝手に大量のデータを書き換えられないか」という不安への配慮と読めます。

公式発表の副題は「プログラミングも記録も不要」です。ただし、製品ページの導入手順には「いつもの操作を記録し、右クリックから『AIエージェントでスクリプトに変換』を選ぶ」という流れも載っています。依頼から始める方法と、記録から変換する方法の2通りがある、と理解するとよさそうです。

依頼の仕方:公式の例から

公式が挙げる依頼の例は次のとおりです。

  • 「Excelの一覧を業務システムに登録して」:質問に答えていくと、登録用のシナリオが一覧に並ぶ
  • 「毎朝決まった時刻に売上データを集計して、メールで送って」:スケジュール再生と組み合わせて自動実行する
  • 止まったシナリオについて、AIエージェントに原因の調査と修正を頼む

どれも、入力ファイル・操作する画面・失敗したときの扱いといった「足りない情報」は、AI側から質問されます。最初から完璧な依頼文を用意する必要はない、という設計です。

画面の部品を直接操作する(UI Automation対応)

生成されるシナリオは、Windows の画面部品を扱う仕組み(UI Automation)を最優先で使うと公式は説明しています。ボタンや入力欄を名前や種類で見つけて直接操作する方式です。公式が挙げる特徴は次のとおりです。

  • ウィンドウの大きさ・位置・解像度が変わっても動作する
  • 固定の待ち時間ではなく、次の画面や部品が出るまで待つ
  • 入力した値を読み返して確認し、ボタンを押したあとは次の画面が出たことを確認して進む
  • 対象は Web ブラウザ、新しい形式の Windows アプリ、従来の Windows アプリ

記録した操作を再生するときも、記録時に取った部品の情報と照合し、正しい部品が表示されるまで待ってから操作するとされています。

失敗したらAIに調べさせる

再生が失敗すると、AIエージェントに調べさせるかを確認する画面が出ます。止まった位置、エラー内容、ログをAIに渡し、原因調査からシナリオの修正までを任せられます。

これまでのシナリオを書き換える

すでに記録したタイムライン形式のシナリオも、メニューの「スクリプトに変換」からAIに渡せます。位置クリックは部品操作に、固定の待ち時間は表示待ちに置き換わります。「終わったら結果を知らせてほしい」といった要望を添えることもできます。

スケジュール再生

シナリオごとに、再生のタイミングを次から選べます。

  • 指定日時に1回
  • 毎日
  • 曜日指定
  • 何日かおき
  • 一定間隔(分・時間)

時刻が重なったときは、前の再生が終わってから順に再生されます。

Before → After:シナリオ用意の手間はどう変わるか

公式は、これまでの課題を3つ挙げています。v1.40 の新機能と並べると、次の対応になります。

従来の課題とv1.40の対応比較
3つの課題がそれぞれ何で置き換わったかを、左右の対応で読み取れる。
従来の課題(公式の記述)v1.40 での答え(公式の記述)
記録した操作は画面上の位置を頼りに再生するため、画面の配置が変わると止まることがある画面の部品を名前や種類で見つけて操作。大きさ・位置・解像度が変わっても動作
分岐や繰り返しを含む複雑な作業にはスクリプトが必要作業を日本語で頼めば、シナリオが生成される。記録済みのものもスクリプトへの書き換えを依頼できる
止まった原因の調査と修復に専門知識が必要止まった位置・エラー・ログを渡して、調査と修正を任せられる

業務の場面に置き換えると、たとえば次のようになります。

  • 経理や総務の担当者:毎週、Excelの一覧を業務システムに1件ずつ打ち込む作業。日本語で依頼して、できあがったシナリオを一覧から再生する
  • 店舗や小さな事務所の運営者:毎朝、売上データを集計してメールで送る作業。スケジュール再生で毎朝決まった時刻に実行する
  • すでにRPAを使っている人:画面の配置が変わるたびに止まっていた記録型のシナリオを、部品操作のスクリプトに書き換えてもらう

なお、v1.30 以前に個々の機能がなかったかどうかは、この記事では断定しません。ここで比べているのは、公式が挙げる従来の課題と、v1.40 の新機能の対応です。

実践的な業務自動化の事例は、AIエージェント業務自動化事例|営業60%増の内訳でも紹介されています。

費用の仕組み:ライセンス料とAI費用は別

ここは申込前に押さえておきたいところです。

ライセンス料とAIエージェント利用費の比較
支払いはライセンス料とAI利用費の2本立てで、毎日の実行にAI費用はかからない設計と分かる。
  • ライセンス料:1ライセンス(PC1台)あたり年額 100,000円(税抜)、税込 110,000円。月あたりに直すと税込でおよそ9,200円です(記事側の単純計算)
  • AIエージェントの利用費:Claude Code や Codex の利用環境は利用者が自分で用意します。既存のアカウントを使うか、別途契約が必要で、費用は別にかかります
  • サポート:ライセンスはソフトウェアの利用料で、サポート料金は含まれません。有償サポートやシナリオ作成の代行は別途の受付です

一方で、公式の製品ページには「AIを呼び出さないシナリオは、何度実行してもAIのトークンを消費しない」とあります。AIを使うのはシナリオを用意する・直す場面で、毎日の実行はnalgo-botが担当する設計です。

Claude Code の料金体系を詳しく知りたい場合は、Claude Code Pro/Max料金を実測で判断も参考になります。

製品ページには削減時間の試算も載っています。毎日5分の作業が1分になれば、年間で約16.3時間(4分×244日÷60分)の削減です。公式は「実績や効果を保証する数値ではありません」と注記しているので、自分の作業時間に置き換えて見積もる目安として使ってください。

向いている人・向かない人

向いている人

向いている人と先に確認したい人の比較
OS・AIの用意・確認の手間の3点で、自分が申し込む側かどうかを判断できる。
  • Windows のパソコンで、Excel・ブラウザ・業務システムを行き来する定型作業を抱えている事務職や小規模事業者
  • Claude Code か Codex のアカウントをすでに持っている、または用意する予定がある人
  • 手順書を自分で組むのが難しくて、RPAを始められなかった人

向かない人、先に確認したい人

  • Mac で使いたい人:対応OSは Windows 11 と Windows 10 です。Mac への言及は公式にありません
  • AIエージェントの利用費を避けたい人:対応するAIエージェントは Claude Code と Codex の2種類で、利用費は別にかかります
  • 「追加の準備なしで始めたい」人:公式は「パソコン初心者の方も簡単操作で作業を自動化できる」としています。ただ、AIエージェントの環境を用意する工程が入るため、準備ゼロでは始まりません(導入は同梱の環境構築シナリオを再生する形)
  • できあがったシナリオをそのまま信用したい人:製品ページの導入手順には「作成後に動作を確認します」とあります。確認は利用者の作業として残ります

申込前に、公式で次の点を確認しておくと安心です。

  • 体験版で AIエージェント連携が使えるか(体験版の機能範囲は、製品ページ・フォーム・発表のいずれにも書かれていません)
  • 体験版の期間中の、ライセンスとAI費用の扱い
  • 価格と条件は変わることがあるため、申込時点の料金ページ

問い合わせ先は、プレスリリースに記載のある購入相談用のメールアドレス([email protected])です。

今日試す最初の一歩

公式の導入手順は3段階です。

公式の導入手順3段階
今日やるのは体験版の申し込みまでで、その後の3段階の順序が分かる。
  1. 30日間の体験版をインストールする。入手は公式の体験版フォームから申し込みます(Windows 11 または 10、空き容量 10GB 以上が必要)
  2. 「AIエージェントの環境構築」シナリオを再生し、使うAIエージェントを選ぶ(Claude Code か Codex)
  3. いつもの操作を記録し、右クリックから「スクリプトに変換」を選ぶ。追加したい条件を伝え、完成後に動作を確認する

最初に自動化する業務は、公式の例に沿って選ぶのが安全です。

  • Excelの情報を、別の帳票や業務画面へ転記する
  • Excelから Web 画面へ登録する(繰り返しや、空欄を除く条件を追加する)
  • 毎朝使うアプリやファイルを開く準備を、まとめて再生する

どれも、手順が決まっていて、毎回同じ画面を触る作業です。まず1つに絞って、日本語で依頼するところから始めてください。

今日やるなら、Claude Code か Codex のアカウントがあるか確認し、体験版を申し込むところまでです。30日あれば、上の3つのうち1つを、依頼から登録まで通して試せます。

Windows向けに30日間の無料体験版あり。

nalgo-bot の無料トライアルを試す(公式)

もっと詳しく

CEATEC 2026の会期・会場・ブース番号
実際の画面を見てから決めたい人は、CEATECのブースでデモを確認できる。

公式が挙げる使い道(製品ページ)

  • Excelの情報を別の帳票や業務画面へ転記する
  • Excelから Web 画面へ登録する(繰り返しや空欄を除く条件を追加できる)
  • 毎朝使うアプリやファイルを開く準備を一括で再生する
  • 複数のパソコンの設定やインストールを自動化する(記録形式のシナリオは、単体で動く EXE に書き出せる。対象アプリ、操作権限、画面構成などに合わせた調整が必要と注記されています)

そのほかの機能

記録した操作はタイムライン形式で一手ずつ確認・編集できます。統計レポートで利用状況と削減時間を確認でき、呼び出しキーや時刻指定による再生にも対応しています。このほか、スクリプト連携用の API も拡張されたと、同社サイトに記載があります。

価格の経緯

2019年のサービス開始時のプレスリリースは「年額1万円」を打ち出していました。現行は年額 100,000円(税抜)です。改定の時期や経緯は、公式の情報には書かれていません。

CEATEC 2026

日本アルゴリズムは、CEATEC 2026(2026年10月13日〜16日、幕張メッセ、ブース 5H116)に出展し、ブースでデモを行うと発表しています。入場無料で、全来場者の事前登録制です。実際の画面を見てから決めたい人は、足を運ぶ選択肢もあります。

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