「SEKIMORI」で検索すると陶芸ブランドや水晶ガラス工芸品がヒットしますが、ここで扱うのはそのどちらでもありません。エキサイト株式会社が2026年9月24日に提供を開始した、AI管理サービスの名称です。
対象になるのは、ChatGPTやClaude、Gemini、Copilot、Codex、Claude Codeなど複数のAIツールを従業員が個別に契約・利用している会社です。個人が気軽に試せる性質のサービスではなく、法人・団体向けの管理ツールという位置づけです。複数人でAIツールを契約・運用しているチームの経営者や情報システム部門にとっては直接関係のある発表で、個人開発者にとっても「自分がどのAIサブスクにいくら払っているか」を整理するヒントとして読める内容です。
つまり何が起きたか
エキサイト株式会社(東京都港区麻布台、代表取締役社長・西條晋一氏)は2026年9月24日、AIマネジメントサービス「SEKIMORI(セキモリ)」の提供を開始したと発表しました。

公式リリースが対応ツールとして明記しているのは、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・Codex・Claude Codeの6種類です。「各種AIの利用状況を横断的に可視化し」という発表文のとおり、社内でバラバラに契約・利用されがちな複数のAIサービスを、1つの管理画面にまとめて見られるようにするサービスです。
サービスの目的として公式が掲げるのは次の3点です。
- AI活用の促進
- AI費用の最適化
- 情報漏洩リスクの管理
この3つを1つのダッシュボードで実現する、というのが今回の発表の骨子です。
これまで(Before)→ いま(After)

Before:見えないAI利用が招いていた課題
複数のAIツールを従業員が個別に契約・利用している会社では、次のような課題が起きやすいと公式は説明しています。
- どの部署の誰が、どのAIツールをどれだけ使っているかを役員報告できるレベルで把握できない
- トップダウンの号令だけではAI活用が社内に浸透せず、誰が使いこなせているか(AI人材)も分からない
- 契約やアカウント発行をその都度個別に進めた結果、使われていないライセンスや重複契約が積み上がりコストが膨らむ
- 機密情報を許可されていないAIツールに入力してしまうリスクや、従業員が個人契約したAIサービスを業務に使っていないかが心配
これは特定の1社だけの問題ではなく、複数のAIツールが並行して使われる会社に一般的に起こりうる課題として、公式が提示しているものです。
After:SEKIMORI導入後にできるようになること
SEKIMORIを使うと、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・Codex・Claude Codeなどの利用状況を一元的に可視化できるようになります。公式が明記する効果は、前述の「AI活用の促進」「AI費用の最適化」「情報漏洩対策」の3点です。
参考として、エキサイト自身がSEKIMORIを社内で先行導入した実績が公式リリースに記載されています。これはエキサイト1社の事例であり、他社で同じ効果が起きることを保証するものではありませんが、具体的な数字が示されている点は参考になります。140名分のAIサービス利用状況を可視化した結果、未利用のアカウントが40件、利用量が少ないアカウントが34件見つかり、ライセンスの見直しとプラン変更によって年間約240万円のAI利用料を削減できたとのことです。
できるようになったこと(業務の場面)
具体的にどんな場面で使われる想定なのか、公式の説明を業務の場面に置き換えると次のようになります。

情シス・経営管理部門:部署ごと・ツールごとの利用状況とコストが1画面に
情報システム部門や経営管理部門にとっての悩みは、「結局、会社全体でAIにいくら使っているのか」を即答できないことです。SEKIMORIは、部署ごと・ツールごとのAI利用状況とコストを1つのダッシュボードにまとめる設計になっています。役員会で「AI予算の使い道」を聞かれたときに、感覚ではなく数字で答えられるようにする、という位置づけの機能です。
開発チーム:Claude CodeやCodexも他の業務AIと同じ管理対象に
見逃せないのが、Claude CodeやCodexのような開発者向けAIツールも、ChatGPTやGeminiと同じダッシュボードで管理される対象になっている点です。複数のAIコーディングツールを契約している会社やチームであれば、「誰が・どのツールに・毎月いくら払っているか」を可視化する発想そのものが参考になります。個人で複数のAIサブスクを契約している人にとっても、Claude Code Pro/Max料金を実測で判断して、自分の支出管理に応用できます。
情報漏洩対策:プロンプトの入力内容を検知する仕組み
公式サイトが機能として掲げる項目の中に、プロンプトのコンプライアンス検知があります。機密情報を許可されていないAIツールに貼り付けてしまう、いわゆる「シャドーAI」のリスクを早期に検知する狙いです。一方で公式は、生のプロンプト自体は保存しない設計だとも説明しています。プロンプトの中身をすべて監視されるわけではなく、収集する項目は組織側で制御できる、という立て付けです。
今日試せる最初の一歩

SEKIMORI自体は「今すぐ個人で試せる」サービスではない
ここまで読んで気になった方に先にお伝えすると、SEKIMORIは法人・団体向けの管理サービスであり、応募条件にも「個人でのご利用は対象外です」と明記されています。無料プランに個人でサインアップして機能を触れる、という性質のツールではありません。対象になる企業規模の目安や、キャンペーン終了後の通常料金は公式サイトに記載がなく、現時点では非公開です。導入を検討する場合は、公式サイトで最新の条件を確認するのが確実です。
気になる会社は「先着100社・6ヶ月無償」の枠を確認する
現在、SEKIMORIは先着100社を対象に、6ヶ月間無償で提供するキャンペーンを実施しています。応募条件は次の4点です。
- 法人・団体であること(個人利用は対象外)
- Claude Code・Codex(ChatGPT Work)・GitHub Copilot・Cursorなどを業務で利用中、または導入予定であること
- キャンペーン期間中に1回、簡単な利用状況ヒアリングに協力すること
- 枠に達し次第、受付終了
無償期間中の利用料はかからず、キャンペーン終了後の継続は任意です。公式は「自動的に有料へ切り替わることはありません」と明記しているため、申し込んだら知らないうちに課金が始まる、という心配はしなくてよい設計になっています。申込フォームには会社名・部署・役職・連絡先などの入力が必要で、法人窓口向けの問い合わせフォームという位置づけです。
個人開発者・小規模チームがまず今日できること
SEKIMORI自体を個人で使うことはできませんが、その発想——「自分たちがどのAIツールに月いくら払っているかを一覧化する」——は、今日、誰でも始められます。ChatGPT・Claude・Cursorなど、契約しているAIツールとその月額料金を1枚のシートに書き出すだけでも、重複契約や使っていないプランに気づくきっかけになります。
複数のAIコーディングツールを契約している人は、コストを予算アラート付きで管理する方法をまとめたClaude Code従量課金|予算アラート3段階も参考になります。
もっと詳しく

PR TIMES本文の6種と、公式サイトが掲げる11種の違い
PR TIMESの公式リリース本文が対応ツールとして明記しているのは、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・Codex・Claude Codeの6種類です。一方、サービスサイトが図示している対応AIツールの一覧はさらに広く、Claude Cowork・Claude Chat・GitHub Copilot・Cursor・opencode・Grok Build・Antigravity・Gemini(Google Workspace)・Microsoft 365 Copilotなどを含む11種類が掲載されています。これは記載漏れではなく、プレスリリースが代表的な6ツールに絞って説明しているのに対し、製品サイトのほうがフルリストを掲示している、という一次ソース間の詳細度の違いだと考えられます。対応状況の詳細は公式サイトで確認するのが確実です。
料金体系
公式サイトによれば、料金は「企業(組織)単位の月額固定」で、従業員1人あたりの従量課金ではないと明記されています。具体的な価格やプラン名は、無償キャンペーン期間中である現時点では公開されていません。
導入の手間
公式サイトのトップページには「導入約10分、端末への監視ソフト導入は不要」と記載されています。導入の流れは、①組織を登録する、②ツール設定を配布する、③ダッシュボードで見る、の3ステップとされています。実際の作業内容までは公式の説明の範囲でしか分からないため、詳細は問い合わせで確認するのがよさそうです。
サービス名の由来
サービスサイトには、名前の由来として「関守(せきもり)は、関所で通行人を確認する番人のこと」に由来すると記載されています。社内を出入りするAIの利用を関所の番人のように見張る、というコンセプトが名称に込められているようです。
なお「SEKIMORI」という名称自体は、陶芸ブランドや水晶ガラス工芸品、東京都江戸川区のガラス容器製造会社「株式会社関守製作所」など、まったく別の分野でも使われています。検索する際は「エキサイト」「AI」といったキーワードを添えると、今回のAI管理サービスにたどり着きやすくなります。
まだ分かっていないこと
2026年9月24日時点で、公式サイトに記載がなく分からない点は次の2つです。
- キャンペーン終了後の通常料金
- 対象となる企業の従業員規模・利用人数の目安(下限の有無など)
いずれも公式サイトに問い合わせ窓口があるため、導入を具体的に検討する場合はそちらで確認するのが確実です。

