弥生株式会社は2026年10月1日、法人向けクラウド会計ソフト「弥生会計 Next」に「経営分析AI」機能を追加した。2026年10月2日11時00分にPR TIMES経由で発表された内容によれば、蓄積した会計データから売上・利益・資金などの経営状況を自動で分析し、数字の変化の意味や背景、次に確認すべきポイントまで提示する機能だという。これまで記帳・申告のための管理が中心だった会計データが、経営判断にそのまま使える形に変わる、という発表だ。
弥生の公式リリースノートを確認すると、「経営分析AI」という名称でまとめられた変更の実体は2つある。①新機能「経営診断」の追加(入力済みの会計データから17の指標を自動計算し、注目すべき変化をわかりやすく解説する)、②従来「資金分析β版」という名称だった既存機能が「経営分析AI」へ名称変更され、その中で引き続き使える、という2点だ(詳しくは次の見出しで扱う)。関係するのは、弥生会計Nextを使っている、またはこれから導入を検討している法人の経営者・経理担当者。特に、自分で経営の数字を分析する時間や知識が足りないと感じている層に関わる話だ。
この記事は公式発表・公式リリースノート・料金ページなど公開情報(確認日: 2026年10月2日)に基づく。弥生会計Nextへの実際のログイン・操作は行っていない。
迷ったらこれ:既存の弥生会計Nextユーザーは、追加の申込みなしでサイドメニューの「経営分析AI」から新機能を確認できる(公式リリースノート記載)。これから導入を検討している法人で、経営の数字を自分で分析する時間が取れない、あるいは会計データをもっと経営判断に活かしたいと感じているなら、無料体験(最大2か月)で経営診断の画面を確認するのが最短の一歩になる。
経営分析AIで何が変わったのか|Before→After
Before: 弥生会計Nextはこれまで、記帳や税務申告のための会計データ管理が中心の製品だった。残高試算表や資金分析の画面はあったが、そこから「何が起きているか」「次に何をすべきか」を読み解くのはユーザー自身の役割だった。

After: 「経営分析AI」が会計データを分析し、経営判断に使える形で提示するようになった。公式リリースノートによれば、今回の変更の実体は次の2つだ。
- 新機能「経営診断」の追加: 入力済みの会計データから経営に欠かせない17の指標を自動で計算し、注目すべき変化をわかりやすく可視化する。変化の原因や専門用語についても解説し、過去の数値との比較もできる。サイドメニューの「経営分析AI」から利用する。
- 既存機能「資金分析β版」の名称変更: これまで「資金分析β版」という名称だった機能が「経営分析AI」に名称を変え、その中で引き続き使える形になった。資金分析の中身自体は、各勘定科目残高と仕訳の登録を行うと、AI予測に基づき6か月後までの現預金残高を表示する機能。資金ショートが予測される場合はToDoリストに通知が届き、資金調達の相談先や手段も提案される。
プレスリリースでは、今回の機能を「お客さまへの経営判断を支える機能」として次の3点で説明している。①会計データから経営状況を見える化する、②数字の変化や背景をわかりやすく理解できるようにする(新機能「経営診断」による自動分析)、③経営状況を振り返り、次の行動につなげる(次に確認すべきポイントの提示)。噛み砕くと、「数字を見る→なぜそうなったかがわかる→次に何をすべきかがわかる」という3段階を、入力済みの会計データだけでAIが代わりに進めてくれる、という整理だ。たとえば、月次の数字を見て「利益率が下がっている」ことはわかっても、その原因や次の対応まで自分で考える必要があった経理担当者にとっては、AIが2段階目・3段階目まで一緒に示してくれる点が今回の変化にあたる。
同じ2026年10月1日付で、既存のAIチャット機能「経営相談チャットβ版」は提供を終了した。公式の機能ページには「会計データを連携すると、資金分析の結果をもとにAIが質問に応じてアドバイスを提示する」という対話形式の機能の説明が残っているが、この記述がチャットβ版終了後の現在もどの画面・名称で提供されているかは、公式ページ上では明記されていない(2026年10月2日確認)。
リリースノートの画面には指標カテゴリ別とみられる件数表示があるが、17指標の個別名称を記載したリストは公式ページに見当たらない(2026年10月2日時点)。
対象者と利用条件|対象プラン・料金・無料体験
対象は弥生会計Next(法人向けクラウド会計ソフト)の契約者だ。料金プランは次の3種類(年額契約時の月あたり表示)。

| プラン | 月あたり | 年額 |
|---|---|---|
| エントリー | 2,900円 | 34,800円 |
| ベーシック | 4,200円 | 50,400円 |
| ベーシックプラス | 7,000円 | 84,000円 |
(弥生公式「弥生会計 Next 料金プラン」ページ、2026年10月2日確認)
ここで判断に関わる重要な点がある。料金ページの機能比較表に並ぶカテゴリは、自動入力・自動仕訳、帳簿、経費精算、請求書、証憑管理、集計レポート、部門別管理、決算書、税務申告支援、データ共有、サポートの11項目で、「経営」というカテゴリ行や「経営分析AI」「経営診断」という機能名の行は存在しない。プレスリリース本文にも、対象プランや追加費用についての記載はない。つまり、経営分析AI(経営診断を含む)がどのプランから使えるのか、追加費用が発生するのかは、2026年10月2日時点で公式に明記されていない。
弥生会計Nextには無料体験がある。ベーシックプラス相当の機能(決算書の作成・出力は利用不可)を、1事業者につき1回まで、最大2か月間無料で試せる。料金ページには自動課金やクレジットカード登録についての記載がないが、機能ページ(経営状況の見える化ページ・資金分析ページ)には「ご登録に必要なものはメールアドレスと基本情報のみ。無料体験終了後、自動的に請求が発生することはありません」と明記されている。つまり、カード登録なしで申し込め、体験終了後に自動で料金が発生することもない。
なお、個人事業主向けの「やよいの青色申告 オンライン」については、プレスリリース本文に展開の記載がなく、同製品のAI機能ページ(2026年10月2日確認)にも「経営分析AI」「経営診断」の言及はない。弥生会計(デスクトップ版)への展開についても、公式発表に記載はなく、今回はクラウド版「Next」だけの発表として扱われている。
今日できる最初の一歩

- 既存ユーザー: 弥生会計Nextにログインし、サイドメニューの「経営分析AI」を開く。そこに「経営診断」と、名称変更後の「資金分析」がまとまっている。
- 未導入の法人: 弥生の公式サイトで弥生会計Nextの無料体験(最大2か月、ベーシックプラス相当の機能)に申し込み、サイドメニューの「経営分析AI」から経営診断の画面を実際に確認する。対象プラン・追加費用は公式に明記がないため、契約前に画面上の表示で確かめるのが確実。
- 判断の軸: 自分で経営数値を分析する時間が取れない、あるいは会計データをもっと経営に活かしたいと感じている法人ほど、確認する価値が高い。逆に、既に専用のBIツールや税理士によるレポーティングで経営分析が足りている法人には、優先度は高くない。
まとめ|経理のAI活用はここまで進んだ
「経営分析AI」は、記帳・申告のためのデータ管理ツールだった会計ソフトが、AIで経営判断まで踏み込む領域に広がっている一例だ。弥生会計Nextのように国内で長く使われてきた会計ソフトブランドでも、こうした機能追加が進んでいることは、経理業務のAI自動化・効率化の流れが特定のツールだけの話ではなくなっていることを示している。

既存ユーザーであれば、追加の申込みなしでサイドメニューから「経営分析AI」を確認できる(公式リリースノート・2026年10月2日確認)。これから無料体験を検討している法人も、登録に必要なのはメールアドレスと基本情報のみで、体験終了後に自動で請求が発生することもない(弥生公式の機能ページで確認済み)。自分で経営の数字を分析する時間が取れない、会計データをもっと経営判断に活かしたいと感じている法人ほど、まず無料体験(最大2か月)で経営診断の画面を確認するのが最短の一歩になる。
弥生会計Nextは1事業者1回まで最大2か月無料で試せる(決算書の作成・出力のみ対象外)
弥生会計Next の無料トライアルを試す(公式)もっと詳しく|開発の背景と公式に明記されていない点
今回の「経営診断」は、唐突に生まれた機能ではない。弥生の公式note(2025年7月7日公開の開発者インタビュー)によれば、現在「経営分析AI」に統合されている機能の前身「資金予測機能(β)」は、黒字倒産を防ぐ目的で開発されたという。β版段階で、日々40%以上のユーザーが確認していたと紹介されている。当時のインタビューでは「今後は売上や利益などの財務指標の予測に対応していく予定」「AIチャット機能を搭載し、お客さまの疑問や質問にも回答していく」と述べられていた。今回の「経営診断」(17指標の自動診断)は、この予告に沿った展開と位置づけられる。一方で、同じ2026年10月1日付で「経営相談チャットβ版」は終了しており、予告されていたAIチャット機能が現在どのような形で引き継がれているかは、次に挙げるとおり公式ページ上でも明確になっていない。

公式に明記されていない点は次の通り。経営分析AI(経営診断を含む)の対象プラン・追加費用の有無、個人事業主向け「やよいの青色申告 オンライン」への展開予定、弥生会計(デスクトップ版)への展開予定、17指標の個別名称と分類、そして「AIが質問に応じてアドバイスを提示する」対話機能が経営相談チャットβ版終了後もどの画面・名称で提供されているか。いずれも2026年10月2日時点で公式ページ・プレスリリース本文に記載がない。プランや追加費用が気になる場合は、無料体験で画面を直接確認するか、弥生のサポート窓口に問い合わせるのが確実だ。

