GMOペパボが2026年9月30日、電話対応業務向けのAIソリューション「GMO即レスAI電話」の提供を始めました。つまり、かかってくる電話の一次受付から、人への引き継ぎ、通話後の記録づくり、改善までを、役割ごとに分かれた複数のAIが分担する仕組みが、法人向けに使えるようになったということです。

関係するのは、電話での問い合わせ対応をしている企業と、自治体のカスタマーサポート・コールセンター部門です。この記事は公式発表と公式サイトの記載(2026年10月3日確認)をもとにまとめており、実際の契約や利用はしていません。

迷ったらこれ:電話業務の規模で入口を分ける

  • 電話の人件費が大きく、受電も架電も設計して任せたい企業・自治体 → GMO即レスAI電話に問い合わせる。得られるのは、24時間365日の一次受付と、通話後の要約・対応記録の自動化まで一括で相談できること
  • 代表電話の取次ぎや受付メモを、まず安く始めたい小さな事業者 → 月額が公開されている定額型(IVRy、DMM AI秘書自動応答サービス、ミライAIなど)から始める

理由は2つあります。GMO即レスAI電話は料金が個別見積もりで、構築にα版で約3か月、β版・本番導入でさらに2〜3か月かかる導入プロジェクト型だからです。さらに公式ページには、電話対応の人件費が月あたり数百万円規模の業務で投資回収が成立するという趣旨の記載があり、小口の店舗向けというより大きな電話業務向けの位置づけです。

GMO即レスAI電話と定額型の向く先を比べた図
電話業務が大きいならGMO型、小さく始めるなら定額型、と入口が分かれる。

最初の5分でやることは、公式サイトの「資料ダウンロード」を開き、自社の電話の種類(問い合わせ・予約・督促など)を書き出すことです。見積もりの相談では、これがそのままヒアリングの材料になります。

受電も架電も任せたい規模の電話業務なら、資料で対応範囲と見積もりの流れを確認できる

GMO即レスAI電話 をダウンロードする(公式)

何が変わるのか:人手と留守電から、分業するAIへ

これまでの電話対応は、人が全部受けるか、受けきれない分を留守電や番号プッシュ式の自動音声(IVR)に流すかの二択に近いものでした。

一次受付から改善までAIと担当者が分業する流れ図
電話に出るだけでなく、記録と改善まで同じ仕組みの中で扱える。

公式の説明では、GMO即レスAI電話は次のように役割を分けます。

場面担う側内容
一次受付AI自然な日本語の音声で用件確認・FAQ・予約受付・要約・振り分け
受電・架電AIかかってくる電話(インバウンド)と、こちらからかける電話(アウトバウンド)の両方
人が判断すべき用件担当者本人確認・金額・クレーム・緊急・VIP対応・契約など
通話後AI通話内容の要約と対応記録(通話後処理=ACW)の自動化
改善AI+運用側蓄積した対応内容を分析し、応対フローやナレッジを見直す

変わるのは「電話に出る」部分だけではありません。通話後の記録づくりと改善まで同じ仕組みの中で扱う点が、留守電や単純な自動音声との違いです。

AI電話代行とは:IVR・留守電・有人との違い

AI電話代行は、AIが音声で電話に応答するサービスの総称です。プッシュ式のIVRは「1番を押してください」と相手に操作させますが、AI電話は話した内容から用件を聞き取ります。

GMO型・定額型・人が判断する用件の向く電話を比べた図
電話の種類ごとに、向く入口が違う。

使い分けを、公式ページで確認できた範囲で表にします。

向く電話根拠
GMO型のAI電話規模の大きい電話業務。受電・架電・予約・FAQ・要約まで設計して任せたいGMO即レスAI電話の公式ページ
小口の定額型AI電話代表電話の取次ぎ、受付、メモ通知を安く始めたいIVRy・DMM・ミライAIの公式ページ
人が判断する用件本人確認・金額・クレーム・緊急・VIP・契約GMO即レスAI電話の公式ページ

従来のIVR(プッシュ分岐)は、IVRyの公式ページでも機能の一つとして並んでいます。留守電や人手の電話代行の料金・品質については、今回確認した公式情報では個別に比べていないため、この表には入れていません。

GMO即レスAI電話で任せられること

公式ページの記載を、仕事の言葉に言い換えます。

GMO即レスAI電話で任せられることの要点
電話番から通話後の記録まで、AIが受け持つ範囲が分かる。
  • 電話番の代わり:24時間365日、まず電話に出て、用件を聞く
  • よくある質問への回答:FAQに沿って答える
  • 予約の受付:電話での予約を受け付ける
  • 担当者への振り分け・引き継ぎ:AIで済まない用件は有人に転送する
  • こちらからの発信:受電だけでなく架電にも対応する
  • 通話後の事務作業:要約と対応記録をAIが作る
  • 改善:蓄積した通話から、応対フローやナレッジを見直す

CRMや顧客DB、予約システムへの書き込みは、要件に応じて個別に設計されます。標準で何とつながるかは、見積もりの段階で確認する項目です。

安全面について、公式ページには次の記載があります。

  • データはAES-256で暗号化、通信はTLS 1.2/1.3
  • 国内リージョンで運用
  • ISMS・プライバシーマークを取得
  • アクセス制御はMFA、IPホワイトリスト、ロール権限、操作ログ

「GMO即レスAI」シリーズの中での位置づけ

「GMO即レスAI」はGMOペパボのAIエージェント導入支援サービスで、今回で4つのソリューション構成になりました。

GMO即レスAIの4つのソリューションの構成図
今回の追加は、文字で受けていた問い合わせを電話にも広げたもの。
ソリューション役割
AIチャットボット文字での問い合わせ対応
GMO即レスAI for CSAI回答の自動化、有人対応への切替、ナレッジ改善、対応分析を1つの管理画面に集約
AI研修AI活用の研修
AI電話(今回)自然な音声対話で受電・架電を自動化。一次受付から有人転送、通話後処理、分析まで

前身のチャット系サービスは、顧客向け・社内向けの両方に対応し、多言語やSlack/Teams/LINE WORKS連携にも対応しています。導入1か月で約20,000件弱の問い合わせをAIチャットボットで解決した例などの実績が載っていますが、これはチャットボット側の数字です。電話ソリューションでの削減件数や効果は、公式に記載がありません。

つまり今回の追加は、文字で受けていた問い合わせの対応を、音声の電話にも広げたものです。シリーズ全体の導入実績は契約企業12社以上と載っていますが、電話に限った数字ではありません。

他のAI電話代行サービスとの違い

月額が公式に公開されている3サービスと並べます。金額は各社の公式ページの記載で、確認日は2026年10月3日です。

4つのAI電話サービスの料金公開の違いを比べた図
前の3つは月額が公開され、GMO型は個別見積もりで設計して導入する。
サービス料金主な特徴
IVRy月額3,317円〜(税抜・年払い時)、初期費用0円。別途、従量利用料と電話番号維持費AI受付、音声認識Q&A、通話録音・文字起こし、転送、SMS送信、予約台帳連携。無料デモ通話あり
DMM AI秘書自動応答サービス月額1,650円、通話1分5.5円(税込)。050番号は料金に含む自動応答、通話のテキスト化、終話後すぐメール通知、応答文のカスタマイズ。番号は最短で即日〜4営業日以内に発行
ミライAIBASIC 月額4,980円(税別・初期0円)/PRO 月額30,000円・初期30,000円/ENTERPRISE 月額・初期とも200,000円以上代表電話の取次ぎ・折り返し。転送かAIヒアリングかを担当者が選べる。文字起こし・要約・録音
GMO即レスAI電話個別見積もり(公開の定額なし)受電・架電、有人転送、ACW自動化、分析・改善まで一括。導入プロジェクト型

並べると、前の3つは月額が公開され、短期間で始められる小規模向けです。GMO即レスAI電話は、設計して導入する型です。同じ土俵の安さ比べにはなりません。安く・早く始めたいなら定額型、通話後処理や改善まで含めて大きな電話業務を任せたいならGMO型、というのが判断の線です。

IVRyの無料デモ通話のように、電話の応答をまず自分の耳で確かめられる入口があるのは定額型の強みです。GMO即レスAI電話の公式ページには、無料デモや無料プランの記載がありません。

受電と架電の両方を1つのAIで扱う動きについては、受電も架電も1台のAI 国内初のブレンド型でも整理しています。

料金と導入の流れ

料金は個別見積もりです。公式ページでは、次の4要素で決まるとされています。

料金を決める4つの要素の一覧
料金は4つの要素の組み合わせで決まり、金額は見積もりで確認する。
  1. 初期構築費
  2. AI Voice Agentの月額
  3. 運用改善サポート
  4. 従量実費(電話回線費用・転送通話料は別途必要)

初期構築費・月額・通話料の具体的な金額は公開されていません。業務内容、通話料、連携範囲に応じて設計されます。

導入の流れは、ヒアリング → ご提案 → ご契約です。構築の目安は、α版が約3か月、β版・本番導入が追加で2〜3か月とされています。思い立ってすぐ使い始めるものではないため、年度や繁忙期の前に逆算して相談するのが現実的です。

向いている電話・向かない電話

公式が示す線引きは次のとおりです。

AIに任せやすい電話と人に回す電話の比較
型が決まった一次受付はAI、判断が要る用件は人に回す。

任せやすい電話

  • 用件確認、FAQ、予約受付、振り分けのように、型が決まっている一次受付
  • 24時間365日の受付が必要な電話
  • 通話後の要約や記録に人手がかかっている業務

人に回す電話

  • 本人確認が要るもの
  • 金額が絡むもの
  • クレーム、緊急、VIP対応
  • 契約に関わるもの

AIに任せる境界は、導入前に設計するものです。「この電話はAIで、この電話は人」と先に決めておくほど、見積もりもスムーズになります。業種ごとの細かい線引きは、公式には記載がありません。

導入前に確認する4つの軸

見積もりの相談で、次の4点を聞いておくと比較しやすくなります。

導入前に確認する4つの軸のチェックリスト
この4点を聞いておくと、見積もりを比べやすくなる。
  1. 対応できる業務の範囲:受電のみか、架電も含むか。人への転送の条件はどうか
  2. つなぐシステム:自社のCRM・顧客DB・予約システムに書き込めるか
  3. 費用の内訳:初期構築費・月額・運用サポート・通話料のうち、何がいくらか
  4. 立ち上げの期間:α版からβ版、本番までの見込みと、自社側で用意するもの

対応言語や方言、同時にかかってくる電話の本数、通話の応答品質は、公式ページに記載がありません。ここは見積もりの相談で直接確認する項目です。

次の一歩:資料ダウンロードで見積もりの材料をそろえる

今日やることは1つ、公式サイトの「資料ダウンロード」から資料を入手することです。サービスの全体像を押さえたうえで、「説明会を予約」または「お問い合わせ」から、自社の電話の件数や種類を伝えて見積もりを依頼できます。

資料ダウンロードから見積もり依頼までの3ステップ
資料請求から見積もり依頼までの流れ。

直前の整理をまとめると、月額が公開された定額型は短期間で始められ、GMO即レスAI電話は数か月かけて設計する型です。電話の人件費が大きく、通話後の記録や改善まで一括で任せたい企業・自治体は、まず資料を請求して条件を確かめる価値があります。電話の件数が少なく、まず取次ぎだけ任せたい事業者は、定額型の無料デモ通話から試すのが向いています。