生成AIに自社名や自社製品名を聞いたとき、何と答えているか把握できていますか。この「生成AIの回答にどう取り上げられるかを整える取り組み」がAIO対策で、その専用ツール「トロパス」が2026年10月1日、AIの回答内容そのものまで分析できる新機能を追加します。あわせて主要なAIO対策ツールの料金・対応範囲も横並びで比較し、選び方の基準まで整理しました。
トロパス自体の契約・利用は行っていません。以下は公式サイトの記載(2026年9月確認)と、他の主要ツールの公式料金ページの記載に基づく比較情報、そしてweeveeが実際にChatGPT・Geminiへ質問して確認した結果です。範囲は本文中で区別して示します。
迷ったらこれ: 生成AIでの自社の見え方が気になり始めた人は、まず課金ゼロのDIYチェックから始めるのが最短です。実際にChatGPTとGeminiに同じ質問をしてみると、最終的な結論は一致していても、条件分岐の有無・評価の軸・料金情報の有無という3つの観点で答えの中身が違っていました(詳しくは後述)。最初にやることは「自社/自社製品名を含む質問文を1つ作り、手元のChatGPTとGeminiに投げてみる」だけです。継続的な監視まで必要な法人担当者は、後半の比較表で料金・対応AI数を見比べてから判断してください。
トロパス大型アップデートの中身
運営元の株式会社TROBZが2026年9月25日に発表したプレスリリースによると、トロパスは2026年10月1日から新機能の提供を始めます。

分析対象になる生成AIは6種類です。ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexity・AIモード・Google AI Overviews。
新しく加わる機能は主に3つです。
- AI競合分析: 生成AIの回答内での紹介総量に占める自社シェアや、競合ごとの紹介回数・平均を横並びで確認できる機能
- AIキーワードマップ: 「検索エンジンで取れている言葉」と「生成AIで紹介されている言葉」を1枚に重ねて可視化する機能
- AI回答文の保存・分析: 言及の有無だけでなく、AIが実際に返した回答の文章そのものを保存・分析できるようになった機能
そもそもAIO対策とは?なぜ今なのか
AIOは、生成AIの回答にどう取り上げられるかを整える取り組みを指す、最も広い呼び方です。GEO(自社情報が生成AIの回答に優先的に引用されるよう最適化する取り組み)やLLMO(大規模言語モデルへの引用を重視した呼び方)もほぼ同じ意味で使われ、業界に単一の定義団体はありません。共通するのは、検索順位が対象のSEOと違い、AIが作る回答の中身そのものが対象になる点です。

この分野が注目されている背景には、生成AI経由の集客に対する企業側の危機感があります。株式会社ユーザーローカルが自社主催のAI検索ウェビナーで行ったアンケートでは、「流入が減少している」と回答した企業の割合が2025年8月の34%から同年10月には50%まで増え、うち「大幅に減少している」との回答も6%から21%へと3倍以上に増えています。
この数字はユーザーローカル自身の調査で、回答者数は非公開です。自社調査という前提はありますが、流入減少の声が広がっている傾向は読み取れます。
これまで(Before)→ いま(After):見える範囲がどう変わったか
トロパスは今回のアップデート以前、対応する生成AIがChatGPTとGeminiの2つに限られ、「引用・言及があったかどうか」の確認が中心の機能でした。

アップデート後は、対応AIが6種類に広がっただけでなく、「言及されたか」の点検から「競合との比較」「有利なキーワード」「回答文の中身」まで、確認できる範囲が一段深くなりました。
業務でできるようになること(3つの場面)
新機能が実務でどう使えるかを、3つの場面で整理します。

- 自社製品名だけでなく、競合と比較する質問でAIがどちらを推すかまで具体的に把握できます
- 有利・不利な回答を引き出す質問(キーワード)が地図化され、コンテンツ改善の優先順位を判断しやすくなります
- 効果測定が「言及の有無」の点検から、「回答の中身が変わったか」の検証に進みます
AIO対策ツールの全体像:4つのタイプとトロパスの位置づけ
AIO対策ツール全体の中でのトロパスの位置づけを整理します。分類には複数の切り口があり、単一の正解はありません。引用状況を見張る「モニタリング型」とサイトを診断しスコアで示す「診断型」(構造化データ支援を含む)の2系統で見る整理もあれば、「AI Overviewチェックツール」「分析まで踏み込む可視化ツール」「実務を代行する支援会社」「戦略設計を担うコンサルティング」の4段階で見る整理もあります。

トロパスの機能(AI検索分析・AIキーワードマップ・AI競合分析・AI改善提案など)は、モニタリングと診断・改善提案を1つで提供する設計で、分類上はモニタリング型と診断型の両方にまたがります。
主要AIO対策ツール比較|料金・対応AIをひと目で
他の主要ツールも、公式料金ページで確認できた範囲を横並びにしました。
| ツール | 対応AIエンジン | 料金(月額目安・税別) | 無料トライアル |
|---|---|---|---|
| トロパス | ChatGPT/Gemini/Claude/Perplexity/AIモード/AI Overviewsの6種 | 9,900円(単一プラン・全機能込み) | 1週間 |
| Ahrefsブランドレーダー | 明記なし | 30,600円〜107,800円(日本向け)※グローバル版$50〜$199/月 | 明記なし |
| Semrush AI Visibility Toolkit | ChatGPT/Google AI/Gemini/Perplexityの4種 | $99/月〜(年払い・1ドメイン) | 明記なし |
| Otterly.ai | 明記なし | $29/月〜$489/月(年払い15%割引) | あり(条件は公式サイトで確認) |
| Genview | 明記なし | 60,000円〜(クエリ・AI・監視URL追加は従量加算) | 14日間 |
| リテラ(BringRitera) | 明記なし | 0円(フリー常時無料)〜27,000円/月(エンタープライズ) | 一部機能のみ1週間 |
| DolphinX AIO | 明記なし | 30,000円〜100,000円/月(6ヶ月契約・12ヶ月なら割引) | 14日間(カード登録不要) |
| Profound | 明記なし | 明記なし(本記事では公式サイトでの確認を行っていません) | 明記なし |
| Peec | 明記なし | 明記なし(本記事では公式サイトでの確認を行っていません) | 明記なし |
ほかにも海外発の類似ツールとしてProfound・Peecがありますが、本記事では公式サイトでの料金確認を行っていないため、対応AI・料金・トライアル条件を「明記なし」としています。契約前に自社が見たいAIを実際にカバーしているか、最新の料金・トライアル条件とあわせて、上記いずれのツールも公式サイトで確認してください。
ツールの選び方:見るべき基準
比較表だけで決めきれない場合は、次の基準で絞り込むと選びやすくなります。

- 対象AIエンジン: 見たいAI(ChatGPT・Gemini・Claude等)をカバーしているか(最優先で確認)
- 計測指標: 「言及の有無」だけでなく「回答内容そのもの」まで見られるか
- 日本語・国産対応: 日本語での分析精度やサポート体制
- サポート体制: 導入後の運用を伴走してもらえるか
- 料金: 前の比較表を参考に、自社の運用体制・予算に見合うか
今日試せる最初の一歩:無料でできること・有料が必要になる境界線
ツールを契約する前に、まず自分の目で見え方を確認する方法があります。手元の生成AIで完結するので、新規登録も追加課金も不要です。

最初にやることは次の3つです。
- 自社名・自社製品名を含む質問文を1つ作る(例:「〇〇のような製品のおすすめを教えてください」)
- 同じ質問文を、手元で使えるChatGPTとGeminiなど2〜3個の生成AIに送る
- 回答に自社が出てくるか、競合とどう比較されているかをメモし、AI回答での「見え方のズレ」を1つ見つける
単発の確認は無料の範囲です。無料のAIOチェックツールでも「引用の有無」や「構造化データの単発診断」程度はカバーできますが、複数AIを横断した継続監視・競合比較・履歴管理は有料ツールが必要になるのが一般的です。
トロパスの新機能は2026年10月1日提供開始・法人向け前提です。今日ノーコストで試せるのは、このDIYの聞き比べまでという位置づけになります。
実測:ChatGPTとGeminiに同じ質問をしてみた結果
DIYチェックで実際に何が見えるのかを、weevee自身がChatGPTとGeminiで確認しました。この3サービス(Notta・Rimo・tl;dv)は、以前のAI文字起こし実測比較でも扱った製品です。

質問文: 「音声の文字起こしツールでおすすめを3つ教えてください。Notta、Rimo、tl;dvの中ではどれが一番おすすめですか、理由も教えてください。」
環境: ChatGPTはweeveeの契約済みChatGPT Pro(reasoning「中程度」)、Geminiは無料版(モデル表示「Flash-Lite」)。新規登録・追加課金なし。
| 観点 | ChatGPT(Pro・中程度reasoning) | Gemini(無料版・Flash-Lite) |
|---|---|---|
| 最終結論(総合1位) | Notta | Notta(両者一致) |
| 条件付きの1位交代 | あり(Web会議中心ならtl;dvが候補、無料枠を評価) | なし(一般的な議事録用途ならNottaが最善と言い切り) |
| 評価の軸 | 価格軸(月換算の具体額を提示) | 文章品質軸(フィラーカットの読みやすさを重視) |
| 料金情報 | あり(月換算の具体額を複数提示) | なし(機能面の比較のみ) |
もう一つ、見過ごせない食い違いも見つかりました。Geminiは、Nottaの運営会社を「株式会社GENAI」と表示しましたが、実際の運営会社はNotta株式会社(および海外グループ会社のNOTTA INC.)です。今回1回の実演で見えた結果であり、Geminiが常にこの種の誤りを起こすとは限りませんが、AIの回答を放置すると事実と異なる情報が広まりうるリスクを示す実例です。
同じ質問でも、聞くAIによって最終推奨の理由づけや、提示される情報の種類が変わる。トロパスの新機能が分析しようとしているのは、まさにこの「回答の中身の違い」です。
診断のあとにやること:改善の進め方
AIOツールで自社の見え方を確認したあと、次に行う典型的な改善の流れは次の3つです。

- 結論を先に書く(回答ボックス化): 冒頭で結論を明示し、AIが引用しやすい形にする
- FAQ・構造化データ(JSON-LD)を足す: よくある質問形式にし、構造化マークアップでAIが拾いやすくする
- 一次情報とE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を強化する: 実際に試した記録や、運営者情報・出典の明記を増やす
スコアはツール独自の基準に基づくため、絶対視せず実際の引用文脈と合わせて確認することが大切です。
よくある質問
対象になる生成AIは何種類ですか。 ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexity・Google AIモード・Google AI Overviewsの6種類です(従来はChatGPT・Geminiの2種)。

料金はいくらですか。 公式サイトによると月額9,900円(税別)・初期費用0円・最低利用期間なしで、新機能追加後も据え置きです。
無料トライアルはありますか。 公式サイトに「1週間無料で試す」の表示がありますが、申込みは会社名・氏名・メール・電話番号必須の問い合わせフォーム経由で、その場でアカウントが発行される形ではなさそうです。流れは公式サイトで確認してください。
個人や小規模事業者でも使えますか。 GA4・Search Consoleとの連携が前提の点から、法人向けの設計に見えます。現状把握が目的なら、前述のDIYチェックで十分なケースが多いはずです。
ツールを導入すべきですか、外注(コンサル)すべきですか。 計測から改善まで社内で回せるならツール導入、戦略設計や継続制作に手が回らないなら外注(コンサル)が向く、という切り分けが一般的です。
もっと詳しく
トロパスの対象顧客は法人向けで、GA4・Search Consoleとの連携が導入前提です。運営会社は株式会社TROBZ(愛知県名古屋市中村区)です。
公式製品ページのダッシュボード画像は、マーケティング用のイメージで実際の画面ではない可能性がある点も記しておきます。
DIYチェックで見え方のズレを1つ見つけられたなら、個人開発者や社内に監視の手を割けない小規模事業者は、まずは月1回ほどDIYチェックを繰り返す運用でも、現状把握としては十分なケースが多いはずです。
一方、生成AI経由の見え方を6種類のAIで継続的に把握したい法人担当者には、トロパスの新機能が有力な候補です。月額9,900円(税別)据え置き・初期費用0円・契約期間の縛りなしという条件ははっきりしています。
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