AI文字起こしはNotta・Rimo Voice・tl;dvなど選択肢が多く、どれが正確なのか公式サイトを見ただけでは分かりません。この記事では3サービスの無料プランに実際にサインアップし、同じ日本語音声を読み込ませて文字誤り率・処理時間・無料枠の挙動を数えました。読み終えると、どのサービスを最初に試すべきか、実測データを根拠に判断できます。話者分離(誰が話したかを区別する機能)の精度など一部確認できなかった項目は、該当箇所に「未確認」と明記しています。

迷ったらこれ:Nottaが無難

実測の結果、精度と無料枠の分かりやすさで見るとNottaが最初の候補になります。

Notta推奨の根拠(精度1.65%・無料枠120分中2分消費・カード不要)を示す図
精度・無料枠・登録のしやすさの3条件を並べると、Nottaが最初の候補になる理由が一目で分かります。

実測で見えた得: 34.7秒の音声を無料のまま処理でき、月120分の無料枠のうち消費はわずか2分でした。文字誤り率(表記ゆれを除いた実質的な誤り)は190字中3字(1.65%)と3社の中で最も低い水準(Rimoと同率)です。

最初の5分でやること: メールアドレスで登録する(カード情報の入力は不要)→手元の音声ファイルを1本アップロードする、ここまでです。実測では、結果が画面に表示されるまでさらに約5分でした。

  1. 文字誤り率(表記ゆれを除いた実質的な誤り)が190字中3字(1.65%)と、3社の中で最も低い水準でした(Rimoと同率)
  2. 無料枠は月120分で、使った分が「使用済み:X分/120分」と画面上にはっきり表示されます。実測では34.7秒の音声を2本処理して「2分/120分」でした
  3. メールアドレスのみで登録でき、カード情報の入力は不要でした

合わない人: 文字起こし結果をファイルとしてダウンロードしたい人には向かない可能性があります。Notta無料プランのアップグレード画面には「データの出力」がプレミアム限定機能として表示されていました(無料プランでの出力自体は試していません)。ダウンロード前提ならRimo Voiceが候補です(画面に「ダウンロード」ボタンの表示は確認していますが、実際にクリックしてファイル形式を確認するには至っていません)。

実測CER(表記ゆれ除く)は1.65%でRimoと同率の最高水準、かつ無料枠(月120分)はカード登録なしで使い始められました。文字起こしをまず試すなら、この精度と手軽さがそろったNottaが近道です。

実測CER1.65%はRimoと同率最高。

Notta を無料で始める(公式)

最短手順:無料プランで文字起こしを試す

Nottaへサインアップしてから結果を確認するまでの手順です。

Nottaダッシュボードのファイル一覧と無料枠使用量(2分/120分)の実画面
アップロードした2件のファイルが一覧に並び、右側のフリープランパネルで無料枠の消費(使用済み:2分/120分)がひと目で確認できます。
  1. メールアドレスで登録する: カード情報の入力は不要でした
  2. 音声ファイルをアップロードする: 「話者を自動識別」「言語を自動検出」のトグルが表示されます(既定でオンと思われますが、明示的な確認はしていません)
  3. 結果を待つ: 実測では34.7秒の音声で、アップロードから結果表示まで約5分でした(実測はアップロードから結果表示までの体感値であり、通信環境や混雑状況で前後する可能性があります)
  4. 数字や固有名詞の表記を確認する: 実測では数字が読み下しの漢数字へ変換される挙動を確認しました。誤変換ではなく書式の違いなので、資料をそのまま転記したい場合は書き換えが必要になります
  5. 無料枠の残量を確認する: 画面上部に「使用済み:X分/120分」と表示されます

Rimo・tl;dvも登録→アップロード→結果確認という同じ流れで試せます。tl;dvは無料での手動アップロードが生涯5回までという制限があるため、試す前に把握しておくと安心です。

実測データ:同じ音声を読ませて数えた正確さ

3サービスの無料プランに、同一の日本語ビジネス文(約190字・34.7秒、クリーンとノイズを重畳した2条件)を読み込ませ、正解文との編集距離からCER(文字誤り率)を算出しました。「strict」はそのままの文字列比較、「loose」は全角/半角や漢数字/算用数字といった表記ゆれだけを正規化した比較です。

Notta/Rimo/tl;dv/ローカルwhisperのCER(strict/loose)比較表
表記ゆれを除いたloose CERでは3社とも190字中3〜7字のズレに収まり、ローカルモデルとの精度差がはっきり出ています。
サービスstrict CERloose CER備考
Notta8.42%(16字)1.65%(3字)クリーンとノイズで出力が完全一致
Rimo Voice8.42%(16字)1.65%(3字)クリーンとノイズで出力が完全一致
tl;dv8.95%(17字)3.85%(7字)ノイズ条件で1字のみ変化
(参考)faster-whisper small・ローカル16.32%(31字)11.54%(21字)クリーン条件の値。無料でPC/VPS上で動かせるモデルだが、ノイズ条件ではstrict 18.42%まで悪化
(参考)faster-whisper tiny・ローカル26.84%(51字)22.53%(41字)最小モデル。速いが誤りが多い(クリーン条件)

strict CERの誤り(16〜17字)の大半は聞き間違いではなく数字の書式差でした。Notta・Rimoは数字を漢数字の読み下しへ変換し、tl;dvは正解文と同じ算用数字のまま出力しました。書式差を除いたloose CERで見ると、クラウド3サービスはいずれも190字中3〜7字のズレに収まり、ローカルのfaster-whisperとは精度差がはっきり出ました。

ノイズを重畳した音声との比較では、Notta・Rimoはクリーン音声と出力が一字一句完全に一致しました。tl;dvのみ「ウィスパー」が「ウスパー」に変わる1字の脱落がありました。英語の固有名詞「Whisper」は、Notta・Rimoが正解文と同じ英字表記のまま出力した一方、tl;dvはカタカナに変換しており、この脱落もそのカタカナ表記の中で起きたものです。ただし今回は1回試行・1種類の合成音声での結果で、統計的に十分なサンプル数ではありません。

処理時間(アップロードから結果表示までの体感値)は、Rimoが約2分と最も速く、Nottaが約5分、tl;dvは約9分でした。tl;dvはアップロード画面の状態遷移が分かりにくく、操作を3回やり直してようやく安定しました(2回目のノイズ音声では迷わず約1分で完了しており、原因は処理速度そのものよりUI操作の不安定さにありそうです)。

無料枠の消費では、Nottaが「2分/120分」、tl;dvが「5/5回」から「4/5回」に減少したことを確認しました。tl;dvは月ごとにリセットされる方式ではなく、生涯合計5回までという上限のため、この検証だけで無料枠の一部を使ったことになります。Rimoはサインアップ直後「のこり1時間0分0秒」の表示で、クリーン音声処理後は正しく34秒分減って「のこり59分26秒」になりました。続けてノイズ音声を処理した後は、表示が「のこり59分26秒」のまま変わりませんでした(実際に消費されたのか、表示の反映が遅れているだけなのかは未確認です)。

出力形式にも違いがありました。Nottaは話者ラベル「話者1」付きの平文、Rimoは段落分けされた平文、tl;dvは話者ラベルが英語表記の「Speaker 1」で、さらに文字起こしとは別に「Action Items」といった英語の自動要約見出しが生成されました。音声も操作もすべて日本語だったため、これはtl;dvの挙動として覚えておく価値があります。

よくある失敗Top3

文字起こしサービス利用時によくある失敗3つ(無料枠誤解・書式差誤解・tl;dv操作不安定)を示す図
実測で見つかった3つのつまずきどころです。特に無料枠の数え方の違いに注意してください。
  1. 無料枠の種類を勘違いする: tl;dvは月次リセットではなく生涯5回までのアップロード制限です。何度も試すつもりなら、最初の数回で使い切らないよう配分を考えておくと安心です
  2. 数字の書式差を誤りだと決めつける: Notta・Rimoは数字を漢数字の読み下しに変換します。実測でもこの書式差が誤り文字数の大半を占めていました。読み間違いではなく表記の違いです
  3. tl;dvのアップロード操作でつまずく: 実測でも画面の状態遷移が分かりにくく、3回操作をやり直してようやく安定しました。一度うまくいかなくても、慌てず再試行してください

次の一歩

今日やるなら、Nottaに無料登録し、実際に使いたい音声を1本(20分以内が無難)アップロードしてみることです。実測では34.7秒の音声2本でも無料枠(月120分)の消費はわずか2分、カード登録なしでここまで到達できました。

実測CER1.65%はRimoと同率最高。

Notta を無料で始める(公式)

Nottaで文字起こしをワークフロー内で繰り返し実行したい場合は、n8nなどのワークフロー自動化ツールと組み合わせると、毎週の会議記録を自動で文字起こし→要約→通知という一連の流れを作れます。n8nをVPSでセルフホストする最短手順を参考に、サーバー上で24時間稼働させる構成も検討できます。

もっと詳しく:料金と未確認事項

Notta/Rimo/tl;dvの無料プランと有料プランの料金比較表
2026年8月時点の公式サイトの料金です。無料プランの条件と有料プランの最安目安を比較できます。

料金(2026年8月確認・公式サイトより)

サービス無料プラン有料プランの目安
Notta¥0・月120分・カード登録不要プレミアム ¥1,185/月〜、ビジネス ¥2,508/月〜(年払い時)
Rimo Voiceカード登録なしで試用可文字起こしプラン ¥1,650/月〜、プロ ¥4,950/月〜、チーム ¥6,600/月〜
tl;dv¥0・カード登録不要・生涯5回までプロ ¥3,080/月〜、ビジネス ¥4,980/月〜(年払い時)

Notta/Rimo/tl;dv以外の主要ツールとの相場感や、リアルタイム字幕型・アップロード型といった分類・選び方、長時間音声でのハルシネーション対策、文字起こし後の後処理による誤字補正は、今回の実測範囲外のため扱っていません。また、音声データがAIの学習に使われるか、どこにどう保管・暗号化されるかも導入判断の重要な観点ですが、今回は3サービスの公式規約・ヘルプページの確認までは実施しておらず、記事内で断定できる情報はありません。機密性の高い音声を扱う場合は、登録前に各社の規約を直接確認してください。

文字起こし以外のAIツールも、公式情報だけでなく実際に動かして数える同じ考え方で比較しています。ローカルで動かせるAIモデルに関心があればVPSで動くOllama日本語モデル実測比較も参考にしてください。Claude CodeなどのAIアシスタントと文字起こしを組み合わせたい場合は、Claude CodeをVPSに常駐させる実測ガイドで、AIの判断を連続実行する方法も検討できます。

Notta「AI要約」機能について(未確認)

Nottaの無料プランのアップグレード訴求画面には、「文字起こしデータの出力」や「文字起こし結果の翻訳」と並んで「AI要約」もプレミアム限定機能として明示されていました(2026年8月確認)。つまり、この記事で比較した文字起こしの精度の先にある要約機能は、無料プランの範囲では使えない可能性が高いということです。実際にプレミアムプランへアップグレードしてAI要約の出力を確認したわけではないため、要約の精度や使い勝手については今回の実測範囲外です。

この比較で測っていないこと

  • ノイズ音声の具体的な種類・SNR(信号対雑音比)
  • Rimo・tl;dvでエクスポートした場合のファイル形式
  • 話者分離の精度(今回は単一話者の合成音声のみで、複数人の会話音声では検証していません)
  • Nottaの無料枠が実際に月次でリセットされるかどうか
  • Rimoの無料枠がノイズ音声処理後に実際に減っていたかどうか(表示上は変化なし)
  • Notta「AI要約」の実際の出力・精度(無料プランでは利用できない可能性が高く、プレミアムプランでの検証は未実施)
  • 3社の音声データの学習利用・保管場所・暗号化方式(利用前に各社の規約・ヘルプページで確認してください)

これらは今回1回・1種類の音声での実測であり、長時間の音声や複数話者の会話ではまた違う結果になる可能性があります。気になる場合は、自分が使いたい音声で無料プランを一度試してみるのが確実です。