人材紹介の推薦準備が、約3時間から約1.5時間になった事例が発表されました。SalesDockが2026年10月6日に公表した、アイランド・ブレイン(名古屋)の人材紹介事業の立ち上げ支援の事例です。発表上は50%の削減です。

つまり、AIを入れた会社で「候補者を企業に推薦する前の準備」にかかる時間が、1人あたり約半分になったという話です。推薦準備とは、候補者の経歴を整理し、推薦文を作るなど、企業に推薦するために行う作業のことです。

この記事で分かるのは3つです。

  • 発表された数字と、その対象になった作業の範囲
  • 「AI活用支援」が、ツールを買うのとどう違うのか
  • 自分の業務のどこから試せばよいか(今日、無料で約25分)

この事例が関係するのは、人材紹介・採用支援・営業など、案件や候補者ごとに紹介資料を作る仕事の人です。紹介資料づくりがほとんど無い仕事の人には、数字の参考以上の意味はありません。

この記事は公式発表と公式サイトの記載をもとにした整理で、サービスの実際の利用は行っていません。数字はすべて発表や公式ページの記載で、「発表によると」と添えて示します。

迷ったらこれ|まず自分の「1件あたりの準備時間」を測る

結論から言うと、人材紹介や営業で準備資料づくりに時間を取られている人は、サービスを選ぶ前に、直近1件の準備にかかった時間を書き出してください。5分で終わります。

最初に直近1件の準備時間を書き出すことを示す図
事例の数字は体感の概算なので、比べる基準として自分の準備時間を先に書き出す。

理由は、この事例の「約3時間→約1.5時間」が、導入企業の担当者の体感にもとづく概算だからです。SalesDockの事例ページで、担当者は「3時間くらい必要だった。今は1時間半くらいで進められる感覚」と話しています。ページ末尾にも「数値は取材時点の概算」とあります。タイマーで測った記録ではありません。

だからこそ、自分の準備時間を先に書き出しておく意味があります。導入前の時間が分からないまま検討を始めると、導入後に減ったのかどうかを自分で判断できません。

そのうえで、伴走つきの支援に関心があるなら、SalesDockは初回60分の無料相談を公式に案内しています(公式サービス一覧より)。ただし、費用と、事例ページに書かれている投資回収の状況(「何を変えたのか」の節)を読んでから判断してください。向かないのは、個人情報を外部サービスに入れられない職場で、社内の利用ルールが決まっていない場合です。その場合は、先にルールの確認から始めてください。

Before → After|発表の数字を表で見る

発表と事例ページに載っている数値は次の3つです(SalesDock発表、2026年10月6日)。

推薦準備の前後と求人原稿件数、立ち上げ期間を並べた比較図
推薦準備の短縮は計測値ではなく体感の概算として読む。
項目内容
推薦準備約3時間 → 約1.5時間(担当者の体感にもとづく取材時点の概算。発表上 50%削減)
Indeed向け求人原稿半月で約150件
立ち上げから稼働まで約1か月

先に押さえておきたいのは、推薦準備の数字の出どころです。出典はSalesDock事例ページでの担当者の発言で、「3時間くらい必要だった。今は1時間半くらいで進められる感覚」という話し方です。計測値ではなく、体感の概算として読んでください。

SalesDockの導入事例ページによると、2026年7月からAIを導入し、担当者1名(取締役)で立ち上げています。発表本文と同じ事例です。この事例にかかった費用は、次の節以降で別に整理します。

「推薦準備」の範囲は、事例ページでは「面談から書類を整えて推薦するまでの自分の作業」と書かれています。この範囲の中で、担当者の体感では、1人の候補者あたり約3時間かかっていた準備が約1.5時間になりました。

半分になった時間の使い道は、発表には書かれていません。一般的に考えられるのは、同じ時間で扱える候補者が増えること、候補者との面談や企業への提案に回せる時間が増えることです。ただしこれは発表の記述ではなく、この記事の推測です。

何を変えたのか|AI活用支援の中身

発表によると、アイランド・ブレインの人材紹介事業の業務を4つの工程に分けて、AIの活用を設計しています。

集客から推薦までの4工程の流れ図
AI活用は集客から推薦までの4工程に分けて設計されている。
工程発表に書かれている内容
①集客Meta広告の運用、ランディングページの制作、Indeed向け求人原稿への変換
②面談準備履歴書情報の洗い出し、ヒアリングシートの作成
③書類作成面談の録画からの職務経歴書の作成、診断サイトと作成アプリの制作
④推薦自己PR・志望動機の調整、推薦文の下書き

「推薦準備」について、書かれていることと書かれていないことを分けておきます。

  • 書かれていること:作業の範囲は、事例ページの「面談から書類を整えて推薦するまでの自分の作業」です。
  • 書かれていないこと:その中のどの作業に何分かかり、どこが短くなったのかという時間の内訳です。発表の4工程のどれに当たるかも示されていません。

範囲が「面談から推薦まで」なので、②〜④にまたがる作業と読むのが自然ですが、断定はできません。

ツールを買うことと、何が違うのか

発表によると、支援の形は月額制の伴走サービスです。業務の構造を整理するところから、ツールの制作、日々の相談までが含まれます。「履歴書・職務経歴書の作成アプリ」も新しく作られました。

ツール単体の導入は、道具を手に入れるところまでです。この事例は、どの作業にAIを入れるかを決める段階から、現場で使い続けられる形にするまでを、外部の担当者と一緒に進めたものと読めます。具体的なAIツール名は、発表には書かれていません。

費用は公式に載っている

発表本文に費用の記載はありません。ただしSalesDockの導入事例ページには、この事例の費用が載っています。AI顧問として伴走し、初期構築15万円+月額10万円(90日間)、その後は月額5万円(6か月契約から)です。

公式のサービス一覧では、次の3つのサービスが案内されています。

サービス公式の記載
AI自走プラン90日間、初期15万円+月10万円〜(税別)
AIツール制作試作は10〜30万円、本導入は個別見積り
AI顧問月5万円、6か月以上、他の2サービスの利用者向け

どのサービスをどう組み合わせるかは事例ごとに違います。金額は変わることがあるため、申し込み前に公式ページで最新の内容を確認してください。

投資の回収は「まだ」と書かれている

ここまでの「3時間→1.5時間」は、推薦準備という1つの作業についての担当者の体感です。事業全体の投資の話は、別に読む必要があります。

同じ事例ページで、担当者の西山氏は「広告費とAI顧問の費用まで含めると、投資はまだ回収できていません。集客もこれから」と話しています。つまりこの事例は、作業時間が減ったという体感がある一方で、費用を含めた投資の回収はこれからの段階です。「元が取れた事例」としては読めません。

SalesDockのサービスは初回60分の無料相談つき。

SalesDock の料金プランを確認する(公式)

自分の業務に置き換えるなら|AIに向く部分と人が持つ部分

推薦準備のような業務は、一般的に4つの段階に分けられます。これは発表の分類ではなく、置き換えを考えるためのこの記事の整理です。

推薦準備4段階のAIとの相性を示す対応表
整理と文章化はAIに任せやすく、確認と最終判断は人が持つ。
段階中身AIとの相性
材料集め職務経歴書・面談メモ・求人要件を行き来して集める一部は向く。ただし元の資料の正しさは人が見る
整理経験と求人要件の接点を洗い出す向く
文章化推薦文や紹介資料の下書きを作る向く
確認事実の誤り、言っていないことの混入を見る。推薦するかどうかを決める人が持つ

AIに任せやすいのは「整理」と「文章化」です。「確認」と最終判断は、人が持ち続ける部分です。下書きに、本人が言っていないことが混ざったり、言ったことが抜けたりする可能性があるためです。

業種を変えた置き換え例を3つ挙げます。

似た領域の動きは、AIで求人提案から面接練習まで対応するCaseMatchの記事や、受注入力の作業時間削減を扱ったニッスイの事例でも整理しています。

個人情報を入れる前に決めること

候補者や顧客の実名・連絡先を扱う仕事では、入力の前にルールが要ります。個人情報保護委員会は2023年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」を公表し、機密情報や個人を特定できるデータを入力するリスクを指摘しています。

職業安定法など、人材紹介に固有の法令上の扱いは、この記事では整理していません。実際に入力する前に、厚生労働省の案内と自社の法務の確認を取ってください。社内ルールとして先に決めておく項目は次の5つです。

  1. 入力してよい情報と、入れてはいけない情報
  2. 使うサービスの条件(入力内容が学習に使われるか、保存期間はどうか)
  3. 本人への利用目的の伝え方
  4. 保存と削除の扱い
  5. 人が確認する工程

迷うなら、実名を消した匿名のダミー情報で試してください。

他社の事例と並べて読む

同じ「書類作成の短縮」でも、数字は何の作業の何からの短縮かで意味が変わります。「MENDAN」の導入事例ページに載っている数字を、並べてみます。

4社の書類作成短縮事例の比較表
数字は何の作業の何からの短縮かで意味が変わるため、並べても優劣はつかない。
事例作業変化規模
アイランド・ブレイン(SalesDock)推薦準備約3時間→約1.5時間(1人あたり・担当者の体感の概算)担当者1名
マスメディアン登録面談後の議事録・推薦文作成27.8分→13.6分(1件あたり)70名
テンプスタッフフォーラム書類作成月36.5時間削減(1名あたり)150名
Kaiketsu書類作成80%削減20〜30名

「推薦準備」の約3時間と、「推薦文作成」の約28分は、含まれる作業の範囲が違います。しかも前者は担当者の体感の概算で、後者はMENDANの事例ページが集計条件(登録面談後の議事録・推薦文作成プロセス)とともに載せている数字です。そのまま並べて、どちらが優れているかは比べられません。前後の絶対値と削減率が両方そろっているのは、アイランド・ブレインとマスメディアンの2件だけです。

読み取れるのは、「推薦文を書く」ところだけを見ると約半分になる事例があり、準備全体を担当者の体感で見ても約半分になった事例がある、という点です。どちらも1社の数字なので、自社でも同じになるとは言えません。

今日試せる最初の一歩(無料・約25分)

特定の製品の購入や、新しい課金は要りません。手元で使える無料枠のAIチャットで足ります。時間はあくまで目安です。

無料で試す4ステップの手順図
直す量が少ない作業はAIに向いている。
  1. 直近1件の準備作業を、かかった時間つきで書き出す(5分)。例:経歴の読み込み40分、推薦文の下書き60分、など
  2. 材料集め・整理・文章化・確認の4つに分ける(5分)。どこに一番時間がかかっているかが見えます
  3. 文章化の部分だけ、ダミーの経歴情報でAIに下書きを頼む(10分)。実名・連絡先は入れません
  4. AIの下書きと、自分で書いたものを見比べて、直す量を数える(5分)。直した行数や所要時間を書き留めます

ステップ4で、直す量が少なければ、その作業はAIに向いています。直す量が多ければ、材料の渡し方か、そもそもの作業の型を見直す手がかりになります。

自分の数字が出たら、伴走つきの支援が要るかどうかを判断できます。ツールを自分で使いこなせそうなら、ここまでで十分かもしれません。業務の整理や定着まで外部に頼みたいなら、SalesDockの初回60分の無料相談で、自分の1件の数字を見せながら相談できます。

もっと詳しく|導入を検討する人へ

事例の数字を読むときの注意点をまとめた図
約半分という数字は目標値ではなく、1つの事例として読む。

この数字は1社・1業務のもの

アイランド・ブレインの事例は、担当者1名(取締役)で立ち上げた新規事業の数字です。会社の規模、業務の型、導入前の状態によって、結果は変わります。「約半分」を目標値として受け取るのではなく、1つの事例として読んでください。

また、推薦準備の短縮は担当者の体感の概算であり、広告費とAI顧問の費用を含めた投資は、事例ページによるとまだ回収できていません。時間が減ったことと、費用に見合ったかどうかは別の話です。

あわせて、アイランド・ブレインの公式トップページでは、主な事業は営業代行(アポイント獲得・成果報酬型)と読み取れます。人材紹介は、発表では新規事業「納得キャリアエージェント」として紹介されています。長年の人材紹介の現場がAIで変わったのではなく、新規事業の立ち上げ段階での数字です。

比べる3つの軸

  • 対象にしたい作業の導入前の時間: 1件あたり、月あたりの実績
  • 人が確認する工程の残し方: 誰が、どこで、何を確認するか
  • 支援の範囲: ツールだけか、業務の整理や日々の相談まで含むか

公式のサービス案内で見る点

  • 対応している範囲(どの工程の、どんな作業か)
  • 進め方(期間、体制、相談の頻度)
  • 費用の考え方(初期費用と月額、契約期間の条件)

対象サービスの組み合わせで金額が変わるため、自社の場合の見積りは問い合わせで確認する項目です。