つまり何が起きたのか

株式会社ギブリーが、法人向けのAIレコーダー「Givery AIレコーダー」を2026年10月15日(木)から正式販売します。発表は10月14日です。

Givery AIレコーダーの発表内容の要点
10月15日販売開始・法人のみ・端末とアプリのセット、の3点が発表の要点。

AIレコーダーとは、会議や商談の音声を録音して、文字起こしと要約までAIに任せるための道具です。この製品は「専用の小型端末(ボイスレコーダー)」と「専用アプリ」のセットで、個人向けではなく法人だけが対象です。

会議が多い部署、議事録を作る担当者、そしてアカウントや情報の扱いを見る情報システム担当に関係する発表です。

なお、本記事は公式の発表と製品ページの記載(2026年10月14日確認)に基づきます。実際の契約や利用は行っていません。

迷ったらこれ:法人で会議・商談の議事録を楽にしたいなら、まず資料請求で料金と導入条件を確かめる

法人で対面の会議・商談の議事録づくりを楽にしたいなら、最初の一手は「資料請求で料金と導入条件を確かめること」です。個人は対象外で、公式に無料の試用の記載もないため、導入前に条件を確認できる資料請求が現実的な入口になります。

迷ったときの結論と注意点
最初の一手は資料請求。金額はリリースと製品ページで食い違う点に注意。
  • 向く人:対面の打ち合わせ・商談・インタビュー・電話対応の記録を残したい法人
  • 公式発表の得:端末は買い切りで、先着100社は1台あたり税抜10,000円引きの28,000円(通常は税抜38,000円)。1社あたりの導入台数に制限はありません
  • 最初の5分でやること:下の「導入前に手元で整理すること」の4項目をメモして、公式の資料請求ページから問い合わせる
  • 向かない人:個人で気軽に使いたい人。ソフトだけの文字起こしツール(下で案内)のほうが入り口は軽くなります

注意が1つあります。価格は10月14日のリリースに書かれた金額です。同じ日の製品ページとFAQは「個別見積もり」で、記載が揃っていません。申し込み前に、担当者に金額を書面で確認してください。

何ができるようになるのか(Before → After)

公式の記載を、仕事の言葉に言い換えると次のとおりです。

これまでと導入後の想定の比較
手作業だった記録・議事録づくりが、端末とアプリでどう変わるかが分かる。
場面これまでGivery AIレコーダーの想定
対面の商談・会議担当者のメモと記憶が頼り。あとで聞き直して議事録を起こす机に置いて録音。話者を分けた文字起こしから、要約・議事録・ToDoを自動で作る
スマホの電話対応通話内容は手書きメモか、思い出して書くスマホ背面に端末を装着して通話を記録できる(MagSafe対応のスマホ)
議事録の書式部署ごとに手で整える議事録のテンプレートを自社用に作って使える
社内用語の誤変換文字起こし後に手で直す組織共通の辞書に専門用語・社内用語を登録して、誤変換や表記ゆれを防ぐ
会話の知識の蓄積個人のメモやフォルダに散らばるAIが会話から知識を抽出し、組織のナレッジベースとして集める
資料化議事録を別途Word・PowerPointに貼り直すWord・PowerPoint・PDFで出力できる

主な機能(公式の発表)

  • 文字起こし(複数の発言者を識別)
  • 要約・議事録の自動生成
  • ナレッジベースの自動生成
  • カスタム議事録テンプレート
  • 専用辞書機能

つまり、「録音する→文字にする→議事録にまとめる→社内の保存先に置く」を、専用端末とアプリでひとまとめにした製品です。

ToDo自動生成

公式LPには「会議体に応じた要約・議事録・ToDoを自動生成」と書かれています。営業担当者の1日の例にも「決定事項やToDoもあわせて抽出されます」とあります。前身の「Givery AI」の4月の発表でも、主な機能に「ToDo抽出」が挙がっていました。

つまり、要約・議事録に加えてToDoも自動で作られる、というのが公式LPの説明です。LPには、担当者や期限の付き方、編集のしかた、外部ツールへの連携までの説明はありません。

出典は公式LP、4月の発表(PR TIMES)です。

外部AIツール連携用のプロンプト生成・論点整理について

4月の発表で紹介された機能に、録音内容から普段使いのAIツールに渡す指示文(プロンプト)を作る機能と、論点を整理する機能があります。10月14日のリリースと製品ページが挙げる主な機能(上の5つ)にはこれらが入っておらず、10月15日開始のモデルで使えるかどうかは公式の記載からは分かりません。使いたい機能なら、資料請求の際に提供範囲と時期を聞く項目に入れてください。

公式が挙げる使用場面

公式のLPと製品ページが挙げる使用場面は、対面の商談・会議、インタビュー、電話対応、スマートフォン通話の記録です。

対面の商談では、公式の説明にそって次の流れになります。

  1. 打ち合わせの机に端末を置いて録音する(マイク4基で、半径約4mの音を集めます)
  2. 複数の発言者を分けた形で、文字起こしが作られる
  3. 文字起こしから、要約・議事録・ToDoが自動で作られる(LPの説明)
  4. 議事録をWord・PowerPoint・PDFで出力し、Google DriveやSharePoint、Slackなどの保存先に置く

電話対応では、MagSafe対応のスマートフォンの背面に端末を装着して通話を記録できると製品ページに書かれています。

精度について

公式は文字起こしの精度を「クリアな音声であれば高い精度」とだけ書いており、数値は公表されていません。録音環境やマイクとの距離で変わる、とも書かれています。

端末の仕様

項目内容(リリース・製品ページ)
サイズ・重さ幅60mm × 高さ92.5mm × 厚さ5.4mm、約55g
充電・保存USB Type-C、内蔵ストレージ64GB
マイク4基。半径約4mの音を集める
アプリ・接続iOS・Android専用アプリ、Bluetooth接続
スマホへの装着MagSafe対応のスマートフォンに装着できる
録音時間リリースは「満充電時約30時間/連続使用時間最大約5時間」。製品ページとLPは「最大約30時間の連続録音」、1回の録音は最大8時間
オフライン録音はオフラインでも可能。文字起こしや要約などのAI機能は、データ同期後に使える

録音時間は、リリースと製品ページで書き方が揃っていません。長時間の外出で使う予定があるなら、どの条件で何時間なのかを申し込み前に聞いてください。

料金と導入の流れ

導入の4ステップと端末価格
問い合わせから利用開始までの順番と、端末価格の目安が分かります。

料金(リリースの記載)

項目内容
通常価格38,000円(税抜)/1台
キャンペーン価格28,000円(税抜)/1台。10,000円引き(約26%OFF)
キャンペーンの条件先着100社限定。最終受付は2027年3月31日(水)まで
課金の形デバイスは買い切り型
台数1社あたりの導入台数に制限なし。原則1人1台(共有したい場合は個別相談)

押さえておきたい点は2つです。

  1. 価格は出典で割れています。 10月14日のリリースは上の金額を明記していますが、同日の製品ページとFAQは「個別見積もり」です。4月の発表時も「個別見積り」でした。
  2. キャンペーンは先着100社・2027年3月31日までです。

公式に記載がない項目:月額のアプリ利用料、AI機能の利用上限、文字起こしの対応言語、データの保存期間と削除方法、無料の体験・デモ。申し込み前に問い合わせで聞く項目です。

導入の流れ(公式の案内)

  1. 公式の申込・資料請求ページから問い合わせる
  2. 担当者から連絡があり、利用環境と用途を聞かれる
  3. 導入方法を案内される
  4. 契約から約2〜3週間で利用開始

導入時のサポートとして、公式は次を挙げています。

  • テナント(自社専用の利用環境)の発行
  • 権限設定
  • SSO/SAML接続(社内アカウントでまとめてログインする仕組み)
  • Salesforce連携
  • 専用辞書・テンプレートの初期設定
  • ユーザー向けのオンライン説明会

契約企業専用のサポート窓口は平日10:00〜17:00です。端末には出荷日から180日間の交換保証がつきます。

管理・セキュリティと外部連携

情報システム担当が先に気にする部分を、公式の記載ごとに分けて整理します。

管理・セキュリティと外部連携の一覧
情報システム担当が確認したい管理面と、連携済み・連携予定の違いが分かる。

管理とセキュリティ

項目公式の記載
ログインGoogle・Microsoftアカウントに対応。リリースにはSSO/SAML認証対応の記載あり
閲覧制御権限設定で「誰が何を見られるか」を制御
管理者向け管理者ダッシュボードで、組織全体の利用状況と操作ログを確認
保存場所ユーザーデータは日本国内のデータセンターに保存。録音データは暗号化して保存
詳細セキュリティの詳細は別途問い合わせが必要

外部連携と出力形式

  • 出力形式:Word・PowerPoint・PDF(リリースにはCSVの記載もありますが、製品ページには記載がありません)
  • 連携済み:Google Drive、SharePoint、Slack
  • 連携予定:Salesforce、Google Calendar、Outlook

リリースはSalesforceを連携先として挙げていますが、製品ページでは「連携予定」の扱いです。製品ページには「連携先・提供時期は変更の可能性あり」との注記もあるため、使いたい連携は時期と範囲を聞いてください。

既存の文字起こし・議事録ツールと比べるときの見方

この製品が「ソフトだけの文字起こしツール」と最も違うのは、専用の端末を買い切りで導入する点です。比較の軸は次の5つに絞れます。

新製品と比較先を見比べる4つの軸
他のツールと比べるときは、この5つの軸で同じ質問をすればよい。
軸Givery AIレコーダーで公式に確認できること比較先に確認すること
提供形態専用端末とアプリのセットアプリ・Webだけで使えるか
対象法人のみ個人でも契約できるか
料金体系端末は買い切り月額か、録音時間の上限はあるか
導入方法問い合わせ→担当者の案内→約2〜3週間申し込み当日に使えるか
データの扱い国内データセンター保存・暗号化保存場所・保存期間を明記しているか

ソフト型ツールの記事との使い分け

ソフトだけの文字起こしツールを同じ音声で比べた記事は、AI文字起こし実測比較|Notta/Rimo/tl;dvにあります。無料枠の制限はNotta無料版の制限を実測、スマホだけで議事録を作るアプリの発表はHEROZ ASK登場で整理しています。

この新製品を比較の候補に加えるときのチェック項目は、次の4つです。

  1. 対面の会議・電話の記録が、業務の中でどれくらいあるか
  2. 端末を何台買うか(原則1人1台。台数 × 単価で総額を出す)
  3. 端末代のほかに継続費用があるか
  4. 社内のセキュリティルールに、保存場所と暗号化の説明で足りるか

向いている人・向かない人

向いている人と向かない人の比較
自分が向く側か向かない側かを、その場で判断できます。

向いている会議・組織

  • 対面の商談や定例会議が多く、議事録づくりが特定の人に偏っている
  • インタビューやヒアリングの内容を、手順書や社内の知識として残したい
  • 電話対応の履歴を、決まった形式で保存したい
  • 利用者ごとの権限設定や、利用状況・操作ログの確認が必要

向かない(別の選択肢を先に見たい)人

  • 個人で使いたい人:法人向けのみの提供です。前の節で紹介したNotta・Rimo・tl;dvのようなソフト型のツールから試すほうが現実的です
  • 会議がほぼオンラインの人:公式が挙げる利用場面は対面の会議・商談、インタビュー、電話対応です。オンライン会議が中心なら、端末の出番は少なくなる可能性があります
  • 精度の数字を見てから決めたい人:公式は数値を公表していません。数値が分かるまでは、導入の判断を急がないほうがよいでしょう

導入前に手元で整理すること

問い合わせの前に、次の4つを書き出しておくと、確認が進めやすくなります。公式も、利用環境と用途を聞いたうえで導入方法を案内するとしています。

導入前に整理する4項目
問い合わせの前にメモしておく4項目を確認できます。
  • 会議の頻度と種類:週に何回、対面かオンラインか、電話対応は含むか
  • 使う人数:原則1人1台のため、台数がそのまま費用に影響する
  • 今使っている記録の方法:メモ、別の文字起こしツール、外注の議事録など。何を置き換えたいか
  • 社内の情報の扱いのルール:外部サービスへの保存可否、国内保存の要否、保存期間の決まり

4月の発表からの変更点

この製品の前身にあたる「Givery AI」は、2026年4月6日に発表されました。当時は予約受付の段階で、価格は「個別見積り」、販売開始は「2026年夏」の予定でした。主な機能として挙げられていたのは、リアルタイム文字起こし、話者分離、ToDo抽出です。

4月と10月の発表内容の比較
名称・価格・販売時期が4月からどう変わったかを比べられます。

10月の発表では、名称が「Givery AIレコーダー」になり、正式販売の日付(10月15日)と、リリース上の価格が示されました。一方、製品ページとFAQの料金欄は「個別見積もり」のままです。製品ページには「製品イメージ・仕様は開発中のため変更の可能性あり」との注記もあります。

次の一歩

次の一歩は1つだけです。資料請求で、10月15日の販売開始時点の料金と導入条件を確認することです。

次の一歩と確認項目のまとめ
資料請求の際に確認する項目と、キャンペーンの期限が分かります。

端末は買い切りで、先着100社は1台あたり税抜10,000円引きの28,000円(通常は税抜38,000円)、導入台数の制限もありません。ただしリリースの金額と製品ページの「個別見積もり」が食い違っているため、法人向けで個人は試用できない以上、金額を書面で確かめられる資料請求がいちばん確実な入口です。同時に、月額費用の有無、保存期間、ToDoの担当者・期限の扱いも聞いておくと、社内の稟議に必要な情報がそろいます。キャンペーンの最終受付は2027年3月31日までです。

条件は変わることがあります。申し込み前に、公式の最新情報で確認してください。